「男たちの挽歌」と言えば、ジョン・ウーを一躍有名にした香港ノワールの代表的シリーズだ。
義理と人情を重んじ、東洋的倫理観が根底に流れて、匂い立つくらいに男臭いストーリー展開。
当時のハリウッド映画にはなかった様式美に貫かれたアクションシーンの数々。
そのエッセンスは、ジョン・ウーがハリウッド進出を果たして後、今や各国のアクション映画に影響を与えている。
つまりこれは、ストーリーからアクションまでリアリティに貫かれたシリーズではなく、ガン・アクションに彩られたファンタジーと呼んで良いものだった。
そんな「男たちの挽歌」をプロデューサーにジョン・ウーを迎えて韓国映画界がリメイクしたのが、この作品。
描かれるのは兄弟、そして義兄弟の熱い人情ドラマ。
しかし、中身は役者が新しくなって、映像が若干スタイリッシュになっただけ?
初めて見たときに、そのアイディアに痺れたガンアクションも今や新鮮味はないし、真新しいのは兄弟を韓国社会で阻害されている脱北者にした事くらいだったりする。
やっぱり、ジョン・ウー御大自らにメガホンを取ってもらって、正統派の新シリーズを見てみたいという想いが強まってしまった結果になった。
決して悪くはないにしろ、なんなんだ、この残念な感じは。(笑)
それでも、最近さっぱり見なくなった香港ノワールの薫りを味わえる貴重な作品であることは確かなので、この手の作品が好きな方は、是非。
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