2011年7月31日日曜日

トランスフォーマー ダークサイド・ムーン/3D映像にねじ伏せられた

1969年7月20日、月面着陸に成功したアポロ11号には、月に不時着したトランスフォーマーの宇宙船の探索という極秘任務が課せられていた。そして現代。地球の植民地化を狙うトランスフォーマー、ディセプティコン司令官のメガトロンは、人類と盟友関係にあるオートボットのオプティマス・プライム等を陥れ、忘れ去られていた月の宇宙船に隠された装置を蘇らせて地球を侵略しようとしていた。

「アバター」以降、急激に進化を遂げる3D映像革命。そのひとつの到達点になりそうな作品が、この「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」だ。
今回も、トランスフォーマー(変形するロボット生命体)が善と悪に分かれて、スクリーン狭しと大暴れ。
3D映像でCG主体のアクションシーンの見せ場は増え、飛び出る立体映像のアクションの連続に、ねじ伏せられたかのような疲労感に包まれた。

今回のキャストはお馴染のシャイア・ラブーフに、ヒロインはモデル出身の超絶美女、新鋭のロージー・ハンティントン=ホワイトレイ。そのうえジョン・マルコヴィッチに、実際にアポロで月面に降り立った宇宙飛行士バズ・オルドリンまでカメオ出演させたものの、印象として人間たちはロボットたちの圧倒的な戦いの渦中に身を置き、為す術も無い。

もはやされるがままの人類は置いておいて、ひたすらトランスフォーマーのケレン見たっぷりの戦いぶりを楽しむのがこの作品との正しい付き合い方だろう。



2011年7月25日月曜日

アイ・アム・ナンバー4/続きが見てみたくなる新シリーズの始動にまずは、拍手

地球人に成りすました宇宙人の二大勢力の争いを、美男、美女が出演するハイ・スクールの青春ドラマ+ど派手アクションで描いた傑作馬鹿SFシリーズの序章。
俺としては大好物の突っ込みどころ満載なエンタテインメントに大興奮だった。
実際、応援したくなる要素ばかりなのだ。この作品は。
先ず、コミック原作などではなくオリジナルで製作されたシリーズになっていること。
最近のハリウッド映画としては実に珍しく、実際、アメコミ原作のそこらの作品よりも面白い。
ヒロインのサラを演じるディアナ・アグロンにせよ、ナンバー6を演じるテリーサ・パーマーにしろ、将来が期待できる若手美人女優がスクリーンを彩っているのも素敵だ。
高校を舞台にエイリアンが死闘を繰り広げる。お馬鹿青春映画としては王道の恋+友情+アクション満載。
何も考えずに楽しめる。
ペットが意外な大活躍をするなど、SFファンを喜ばせる仕掛けが散りばめられているのも良い。
続きが見てみたくなる新シリーズの始動にまずは、拍手。


2011年7月18日月曜日

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 / 3Dで必見のシリーズ大団円

ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)たちとヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)との最後の戦い。
全ての謎が解き明かされる。


このシリーズが始まったのは、もう11年前?
すっかりオトナ顔になった、ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリントにエマ・ワトソン。そりゃ、俺も歳をとるわけだ。(笑)

やたらと尺が長くて、ときに退屈で、何度と無く次は見るのをやめようと挫折を味わいそうになってきた現代を代表するファンタジー映画の超大作もいよいよこれで完結。

今回、タイトルからもお分かりのとおり、シリーズ最終作は2部構成。
熱心な原作ファンでも無い俺は、前作のことなど綺麗さっぱり忘れて劇場のシートに座っていたのだが、これまでのおさらいなんて一切なしで突っ走るため、最初の20分くらい、話がまぁ、解らないワカラナイ。(爆)
これから見る方には、前作を復習してから劇場に行くことを強くお奨めしたい。
間違っても、今まで1作も見たこと無い人は、いきなりこれから見ちゃ駄目。
「ハリー・ポッター」は、どれ見ても同じ「寅さん」みたいな映画とは違うから。やっぱりシリーズを順番にときに苦痛に耐えつつ、見てからこの作品を楽しむのが正しい楽しみ方だと思う。

とは言え物語が終焉に近づくにつれてのシリーズ数作品は、子供向けにはダーク過ぎるカラーが強まり、いよいよお先真っ暗感漂う前作を見たからには、この作品を見て締めくくりたくなるのはもはや必然。

シリーズ最終作にして前作で断念した3Dでの上映にも対応し、正直な話、ここ数年のシリーズの中では間違いなく最高。かなり上手くまとまってたんじゃないだろうか。

鑑賞したのは品川プリンスシネマのシアターZERO(旧IMAXシアター)だったのだが、大スクリーンに映し出されたこの作品の3D効果は、かなりのクオリティで、3D映画を見ていることを忘れさせる位の自然な立体効果。
3D演出ばかりを売り物にしている最近の作品と比較して、その映像美や演出は、3Dデジタル時代の新たな「高み」を感じさせる傑作になっていたと思う。

2011年7月12日火曜日

ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える

スチュ(エド・ヘルムス)の結婚式に出席するためタイに向ったフィル(ブラッドリー・クーパー)、アラン(ザック・ガリフィアナキス)、ダグ(ジャスティン・バーサ)。
式の前日に軽く一杯、呑むだけだったはずが、翌朝目が覚めると、そこはバンコクの薄汚いホテルの一室。
全員がひどい二日酔い。
ステュの顔面には身に覚えの無いタトゥーが入っていて、アランに至っては髪の毛もない!? 
さらに悪いことに、スチュの義理の弟で秀才肌のテディは、千切れた指だけを残して行方不明。
その代わりに、部屋で暴れまわるのはベストを着たサル!
果たして、結婚式までの間に、彼らはすべての謎を解き、失われた記憶とテディを発見することができるのか!?


二日酔いの男たちが記憶を飛ばし、前日の出来事を手がかりを元に探っていく。
従来にない全く新しいミステリー+コメディとして世間をアッと驚かせた「ハングオーバー 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」。
その続編である本作は、舞台を異国タイに移し、馬鹿さ加減を増量しつつ、前作で打ち立てた「昨晩の自分探し」フォーマットを踏襲。
安心して馬鹿笑いし、あきれ返れるすさまじく陽気で下品な馬鹿映画になっている。

エンドロールは昨晩のランチキな所業を映し出したお約束のスライドショー。
全てはそのエンドロールで用意されたオチのためだけにある、壮大な前振りだ。

昨晩のおぼろ気な記憶を頼りに、記憶をさかのぼっていく「謎解き」の馬鹿馬鹿しさは、酒を愛する酔っ払いなら誰しも少なからず共感できる。
むしろ4人と一緒に馬鹿騒ぎしているかのような不思議な一体感を味わえるのがこの作品。

男は幾つになっても、どこかコドモで、愛すべき馬鹿なのだ。
きっと。


2011年7月10日日曜日

マッチョ系北欧神話世界を笑って受容れられるか次第/マイティ・ソー

神の世界アスガルドの王オーディン(アンソニー・ホプキンス)の息子ソー(クリス・ヘムズワース)は、その傲慢さから、氷の巨人の世界へ身勝手に攻め込み、平和を乱す。
怒ったオーディンはソーの力とムジョルニアを奪い、地球へと追放。
地球に堕ちたソーは、天文学者ジェーン(ナタリー・ポートマン)と出逢い、慣れない人間生活を送るなかで次第に痛みや弱さを学び、彼女と恋におちるのだった。
一方そのころ神の世界では、そーの義弟ロキ(トム・ヒドルストン)が王位簒奪を狙い、陰謀を企てていた。ホーガン(浅野忠信)、ヴォルスタッグ(レイ・スティーヴンソン)、ファンドラル(ジョシュア・ダラス)の三銃士は、国家の危機をソーに伝えるため地球へやってくる。しかしロキは、破壊者デストロイヤーを地上に放ち、ソーの抹殺を謀るのだった。


昔の漫画、聖闘士星矢に出てきたような北欧神話の世界をマッチョにしたような作品。
追放された駄目な神様が力を失って、反省し、復活して悪をくじくという、もの凄く判りやすいアメコミ原作の作品をいつもならシェイクスピア劇なんかの重厚なコスチューム・プレイを得意としているケネス・ブラナー監督が、思い切りハメを外して作った馬鹿アクション映画。
なんと、ヒロインはナタリー・ポートマン。彼女も、ホントに仕事を選ばないね。
神の世界の三銃士の一人として、浅野忠信が出ていたりするんだが、3Dの高い料金を払ってまで見たいかは、微妙だった。
全ては、マッチョ系北欧神話世界を笑って受容れられるか次第。
ココロを広く持てる馬鹿映画ファンなら、おさえておいて損はないかな。(笑)