しかし、予告編の圧倒的な飛翔感。しかも3D。まぁ、期待せずにチェックだけでもしておくかと、先行上映の劇場へ向かった。
で、どうだったのか?
前のシリーズ、あれはあれで好きだったのだが、もう、最初にはっきり言ってしまおう。
今回の「スパイダーマン」は最高だ。正直なところ、前のシリーズよりも気に入った。
前のシリーズを知らなかったり、アメコミの映画はチョッと...という人もきっと、夢中になれると思う。
先ず、言うまでも無いがこの作品は3D向きだ。
ニューヨークの空を飛翔するスパイダーマンを目まぐるしくカメラは追い、時には彼の視点で飛んでいる体験を観客にも与えてくれる。圧倒的な没入感。劇場の大スクリーンで、ぜひ、これは体験して欲しい。
映画を見ると言うより、映画を体験するという表現の方がしっくりくる迫力の映像体験が待っている。
続いてキャスティング。
主人公のピーター・パーカーを演じるのはアンドリュー・ガーフィールド。
ナイーヴさと、高校生らしい爽やかさや、真っ直ぐさ、行動力を持った魅力的なヒーローになっている。
ガールフレンドになるグウェン・ステイシー(エマ・ストーン)も、主張と行動力のあるキャラクター。
何より、しばしばゴリラ顔になってしまう前シリーズのヒロイン、メリー・ジェーン(キルスティン・ダンスト)よりも美人で華やか。
葛藤するより行動するタイプに生まれ変わったメインキャラに引っ張られて、テンポやテンションも前シリーズより大分上がったように思う。
元々善人が、モンスターへと変異してしまう物語のパターンは、かつてのシリーズを踏襲している。本作でもカート・コナーズ博士を演じるリース・イーヴァンズが、なかなかに良い味を出していて、ちゃんと何故、彼がリザードに変身しなくてはならなくなったのかや、リザードなりの正義があることが観客に伝わってくる。
そして語られる物語は「スパイダーマン」の誕生。
爽快感に溢れるラストと、エンドロールの途中で、最近のお約束のように次作へのフリが挟まって、早く続きが見てみたくなった。
マーク・ウェブ監督には、この手のアクション映画のイメージがまるで無かったんだけど、次回作も是非、監督して欲しい。
でも、日本のバンドのタイアップは違和感満載だったな。wあれは今回だけの趣向にしてくれ(笑)。