落ち目のアクションスター(ベン・スティーラー)、役のためなら整形して黒人になってしまうほどのやりすぎ演技派俳優(ロバート・ダウニー・Jr)、お下劣コメディアン(ジャック・ブラック)、人気スター3人が競演する戦争映画は撮影開始直後から大幅な予算超過。何とか作品を成立させるために東南アジアのジャングルでゲリラ撮影を敢行しようとした監督だったが、そこは、麻薬組織が支配する本物の武装地帯だった。
フランシス・フォード・コッポラの「地獄の黙示録」は、実際にゲリラと交戦中のフィリピン軍のヘリまでひっぱり出して撮影を続け、主演俳優は降板、台風の到来、そして決まらないエンディング…、時間と経費がふくれ上がって現場が狂気に包まれていった事で有名。プロダクション中の混沌を描いた、ドキュメンタリー映画「ハート・オブ・マッドネス」は、ぶっちゃけた話、本編より面白いと評価するファンも多かったりするわけなんだけど、この「トロピック・サンダー」は、まさにそんな悲惨な現場を題材にコメディ映画にした作品。
はっきり言って、下品だしグロいし、内容たるや、どうしょうもないが、「プラトーン」やら「ランボー」やら、他にも数々の戦争映画のパロディと、有り得ないほど豪華なカメオ出演者が目白押しで、映画ファンなら泣いて喜ぶ馬鹿映画になっている。
特にトム・クルーズは凄かった。デブで禿で絶大的な権力を握るプロデューサーとして登場し、可笑しげなダンスを踊りまくったりして、カメオ出演とは思えないインパクトを残して、完全に準主役級。
本物の映画各社の予告編に似せた冒頭のシークエンスからして、よくもまぁ、各社許諾してくれたなと(笑)。こういう作品に大金掛けちゃうアメリカは本当に凄いし、アメリカ人って本当に馬鹿だね。(爆)
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