2009年5月25日月曜日

消されたヘッドライン/NARIZO映画レビュー

理想家の議員コリンズと愛人関係にあった美人スタッフの事故死。そして、黒人少年の射殺事件。
議員と大学時代のルームメイトだった記者のカルは、一見、無関係な2つの事件を結びつける手掛かりを手に入れた。
徹底取材の末に、やがて少しずつ明らかになっていく、国家権力と民間企業の恐るべき癒着。
果たして、カルは真実にたどり着く事が出来るのか!

イギリスBBC放送の人気ドラマを映画化...という事らしいが、元ネタの「ステート・オブ・プレイ」は未見。しかし、久々に政治サスペンス・スリラーの名作に出会ったって感じの作品だった。

監督のケヴィン・マクドナルドはドキュメンタリー畑の人らしく、記者を主役にした政治サスペンスの演出がとにかく上手い。
記者のカル(ラッセル・クロウ)の視点で、観客に手掛かりを積み重ねて見せ、忍び寄る巨悪の恐怖や、姿の見えない敵の影をちらつかせながら、テンポよく、真相に近づけていく。

ラッセル・クロウの演じる記者は、ベテランでいかにも修羅場を潜ってきた雰囲気プンプン。目に見えない巨悪と対峙しても迫力満点だ。
一方、彼とは大学時代のルームメイトという設定の議員を演じるのはベン・アフレック。いやぁ、この二人が学生時代の友達なんて、凄く違和感なんだけど(笑)..。とは言え、彼のコトを勢いだけのアゴ野郎呼ばわりしていたのは遠い昔の話。偏見抜きに、この作品では、それなりに理想に燃える若手議員にちゃんと見える。

あとは、カルと一緒に取材することになる新人記者のデラを演じるレイチェル・マクアダムス。彼女は知性とユーモアを感じさせる美人で、今回の脇役の中では、俺的にイチバン気になる存在だった。魅力的な女優さんです。

色々突っ込みどころはあるものの、ドラマとしての大きな嘘が、小さなリアリティの積み重ねで、リアルに恐ろしく感じる、エンタテインメントとしてかなり良質のサスペンス。
とにかく有無を言わせず、のめり込まされ、ハラハラさせられながら次第に真相が暴かれていくんだが、最後の展開が必要だったかは意見が分かれるところかも。

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