やがて、街の犯罪王フランク・ダミコに復讐を果たすため、犯罪と戦う父娘デュオ、“ヒット・ガール”(クロエ・グレース・モレッツ)と“ビッグ・ダディ”(ニコラス・ケイジ)に出会った彼は、本当の戦いへと巻き込まれていく。
冴えない高校生が活躍し、成長する童貞コメディのオタクヒーロー版。設定の妙もあるが、展開もアクションもB級コメディとして甘く見ていたものが、いつの間にか真剣に見入ってしまうほどの素晴らしい出来。
キャスティングの方も、ブラッド・ピットがプロデュースしているだけあって、ニコラス・ケイジがまるでバットマンみたいな「ビック・ダディ」を演じていたりと、中々豪華。特に、「ヒット・ガール」を演じた若干13歳のクロエ・グレース・モレッツの殺人天使の様なキュートな凶暴性には目を釘付けにされた。勿論、特に目だった特徴も無い主人公のイタさや、かっこ悪さをコメディとして笑えるレベルで魅せつつ、終盤に向けて成長させることに成功した主役のアーロン・ジョンソンの自然体にもキラリと光るものかあった。
もしかしたら、この作品は5年後の映画スターをいち早くキャスティングしたコメディ映画として、記憶され続けることになるかもしれない。
冴えない駄目な少年が、判り易くとてつもない犯罪組織に立ち向かっていく極めてシンプルなストーリー。
作品は、アメコミへの愛とオマージュに貫かれつつも、余計な部分は一切なく、テンポも気もちよくて、判りやすい。久しぶりにブラックに味付けされた笑いと残酷の同居。リアルな痛さが笑いを誘う。
117分は、あっという間だ。
そして、アクションシーンは、アイディアからカット割まで完璧にカッコいい。
ヒーロータイツを履いたキモオタクのコメディ映画という偏見を捨てて、一級のアクション映画として広く多くのアクション映画ファンに見て欲しい。
そんな映画だった。
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