2009年8月30日日曜日

浅草サンバ見てきた

浅草サンバへ行ってきた。
熱波といってもいい位の灼熱で、ラテンのリズムと高いテンション。踊るお姉さまをみて盛り上がれる下町の夏の最後を飾るイベント。


動画は東京のサンバチーム「リベルダージ」。



このチームの今年のテーマは「アマゾン」って事で、衣装がとても面白かったんだよね。
各チームそれぞれテーマをもって仮装してパレードするわけだけど、この日のためにこれ、造って練習してるかと思うと凄い気合と情熱だなぁ...と感心。

その後は、フッキーと合流して、日本最古のバーと言われる神谷BARへ。
電気ブランを煽る。
電気ブランって、デンキってコトバがCoolだった時代に、付けられたネーミングらしいね。

30年通ってるというオヤジと、競馬ですって泥酔状態のオヤジと相席になって、仲良くなった。酒の仲間は世代を超える。
しまいにはご馳走にまでなって....下町だねぇ...やっぱ素晴らしいわ、浅草(笑)。

ラーメン食って、渋谷のビートカフェへ半年振りくらいに繰り出し、現象さんと久々再会。
最後は地元の「炙りやアンディ」に戻って、なかしんさんの誕生日を祝った。

既に深夜の夜風は涼しかった。
夏が終わっていくね。

何だかんだと、今年も夏を満喫できた気がする。
みんな、サンキュ!

2009年8月11日火曜日

G.Iジョー/NARIZO映画レビュー

武器商人デストロによって開発された金属を一気に腐食させる兵器ナノマイトが、悪の秘密組織コブラに奪われた。コブラはエッフェル塔を破壊。アメリカ政府は、世界中からメンバーを集めた精鋭部隊G.Iジョーを派兵し、コブラと対決する。




どうしようもない馬鹿映画だと、知ってて見に行きましたよ。
でも、一切ノレなかった。派手だけど全くリアリティの無いCGアクションの数々。ほとんど日本の戦隊モノみたいなストーリー。だけど、それならよっぽど日本の戦隊モノの方が楽しめます。
キャラも、設定も、ストーリーさえも多分。勝ってるのは予算だけかもしれない。
馬鹿映画としては笑えるんだけど、それも苦笑レベルのなんともヌルイ感じ。

敵・味方で白と黒の忍者兵士が戦うのだが、敵方の白い忍者はなんとイ・ビョンホン。
しかも、とっても偏見に満ちた日本の回想シーンとか、忍者なのに白装束とかって目立ってしょうがないだろとか、そりゃねーだろ的突っ込みどころが多過ぎてイチイチ書く気もしないが、最も問題なのは、それでも馬鹿映画として面白いと思えたりとか、愛せないところ。
ひたすら薄っぺらいだけなのだ。で、途中で時計が気になる有様。
まぁ、続編作る気満々みたいな終わり方だし、広告予算も相当使っていると思われるんだが、パラマウントさんは相当厳しい結果になるんじゃなかろうか。

洋画大作冬の時代を地で行く作品です。

3時10分、決断のとき/NARIZO映画レビュー

小さな牧場を営むダン(クリスチャン・ベール)は、町で捕まった強盗団のボス、ベン(ラッセル・クロウ)をユマ発3時10分の列車に乗せるという護送の仕事を引き受ける。ボスを奪還しようとする強盗団の追撃などで護送団のメンバーは、1人また1人と命を落としていくが、2人の間には友情が生まれていく。



オリジナルは西部劇の名作らしい。
製作年は2007年。もう2年も前にアメリカでは話題になった作品が、スクリーン数が増えたはずの日本で、ようやく今年、見られるってのが、「西部劇」の衰退ぶりを現しているようで残念だ。まぁ確かに俺も、西部劇というジャンルは、もうほとんど死んだものだと思ってた(笑)。しかし、新作の西部劇で、こんなにもカッコよく、興奮できる、そして何より不器用でも男気を感じるキャラクター達の活躍する熱い作品が見られるとは思っていなかった。

とにかく、主演の二人が良いんだ。
まず、2年前のスリムなラッセル・クロウが見られる。極悪非道の強盗団のボスでありながら、何処か憎めない男。悪行の中にも自分だけの倫理を持ち合わせているこのベンというカリスマ性のある「悪」があるからこそ、その真逆の存在にして、良心と家族との生活を守るために危険な仕事を引き受ける牧場主のダンが惹き立つ。ダンを演じるのはクリスチャン・ベール。ぶっちゃけ、今まで華を感じない役者だと思っていた彼の印象がガラリと変わった。単なる善人ではなく、屈折して自信を失った、傷だらけの男...。
そんな二人が対峙し、不思議な友情を育んでいく。
脇役も物凄く芸達者。ベンの腹心で、護送団を追い詰めていく不気味な凄腕ガンマンのチャーリーを演じたベン・フォスターなんて、黒澤明の「用心棒」に出てきた仲代みたいに、不気味で何をしでかすか判らない雰囲気を醸し出している。ぶっちゃけ2時間もあるし、決して目茶目茶テンポが良い作品ではないかもしれない。最近のアクション映画と比較したら、西部劇のアクションなんて地味に見えるかもしれない。
それでも、オールドタイプの「男」と「友情」の話は輝きを失わない。

これは、男独りで見に行くのにぴったりな、カッコよさに浸れる渋い映画だと思う。

2009年8月2日日曜日

サマーウォーズ/NARIZO映画レビュー

数学だけは得意だけど、あとはパッとしない高校生の健二は、憧れの夏希先輩から田舎に行くというアルバイトを頼まれる。実は夏希の田舎は武家の血筋を受け継ぐ旧家、陣内家。バイトの内容は曾祖母である烈女・栄のために夏希のフィアンセのふりをするというものだったのだ。ニセ彼氏であるコトが見破られたにも関わらず、栄は健二を認めた...そのころ、世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界、OZ(オズ)では何者かによるハッキングでリアル世界をも巻き込んだ大事件が始まろうとしていた。

2006年に「時をかける少女」で国内外の映画賞を次々受賞した細田守監督と、制作スタジオ「マッドハウス」による最新作。今回は、日本テレビが出資して、配給はワーナーと、前作とは比較にならない事業規模のオリジナルの劇場アニメーションとして公開された。
スタッフ周りも「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」でキャラクターデザインをやった貞本義行だったり、仮想世界のシーンのアバターのデザインが、「アフロサムライ」の岡崎能士だったり、色々な才能が結集している感じ。ちなみに音楽は「踊る大捜査線」の松本晃彦。

で、肝心の中身の方だが、ひと夏の青春+大家族+アクション+SF×エンタテインメントって感じで、なんだかごった煮感たっぷりだけど、非常に愉しい作品になっていた。

正直なところ、内容的に「時をかける少女」の方がはるかに良かったことは間違いない気がするが、仮想世界が現実社会と無視できない繋がりを持ち始めているという設定は、2009年の今、リアリティがそれなりにあり、そんな先端性と、戦国武将の末裔大家族の家族愛という真逆の要素が絶妙にブレンドされて、そこに手を繋ぐだけで赤くなっちゃうような、なんだか懐かしい、最近見ねぇよな、でも、そういうのいいよな...てな、高校生のカワイ気な恋愛描写が加わった、とても魅力的ごった煮なのだ。

それから声のキャスティング。これも素晴らしく良かったと思う。
内気な感じの主人公に 神木隆之介の雰囲気はぴったりだったし、相手役の桜庭ななみも現役感たっぷりで高校生を自然に演じていたと思う。そして何より何より...富司純子が素晴らしかった。昭和の女優のかもしだす迫力と暖かさがアニメキャラに魂を吹き込んでた。

アニメなのに夏空や、田舎の空気感が凄く出ていて、田舎がある人っていいなぁ...なんて思わせる作品だった。
しかし、今年の夏は大人が楽しめる劇場アニメーションが充実だねぇ...。

ボルト/NARIZO映画レビュー

人気テレビドラマのタレント犬「ボルト」。
彼はスーパー・パワーの持ち主で、飼い主の少女ペニーを守っている。ハリウッドのスタジオで人間達に全てが真実であると信じ込まされていたボルトは、ある日、迷子になったことで、自分がただの犬であることに気付いてしまう。しかし彼にはひとつだけ信じて疑わないものがあった。それは、ペニーとの絆。途中で出逢った捨て猫の"ミトンズ"とボルトの大ファンのハムスター"ライノ"を加えて、3匹のハリウッドを目指した冒険が始まる。


ウォルト・ディズニー・アニメーションスタジオは、天才的なクリエイターであるウォルトが生み出した、キャラクターや信念を彼の死後も守り続けてきたアニメーションの老舗。しかし、ひとりのクリエイターの生み出した壮大な夢の後継者たる人物は、そう簡単には現れず、次第にマーケティング志向の粗悪な続編モノビデオシリーズや、オリジナリティ欠如の作品乱造で夢の遺産を食い潰してきた。
しかし、2006年にフルCGの先端技術を用いながら、「トイ・ストーリー」や「ファインディング・ニモ」などオリジナリティの強いハート・ウォームなストーリーで次々とヒット作をディズニーに供給してきたピクサーを完全子会社化し、ピクサー最高責任者のジョン・ラセターがジョイン。新体制下で、ラセターが製作総指揮をとった新生ディズニーの記念すべき第一作になる。

結論から言うと、このアニメーションはディズニー・アニメーションスタジオとしては久し振りの傑作になった。新しく魅力的なキャラクターを生み出す創造力や、ファミリー・エンタテインメントに対する強い信念は、ピクサーの方が紛れも無く、優れていただけに、本作は乱暴に言ってしまえば、ピクサーの精神、ストーリーテリング、キャラクター、テクニックをディズニーの組織と予算で実現させた作品に思える。

2001年以降、ディズニー・アニメの新作と聞いても、さっぱりそそられない、もはや関心の対象にならない長い冬が続いたが、これで第二の創業期が幕を開くかもしれない。そんな記念碑的作品になったと思う。

近年のアニメ大作の例にもれず、声の吹き替えは豪華にボルトをジョン・トラボルタが演じている。
だから、日本語吹き替えではなく、洋画ファンなら字幕版がオススメ。

「地位」や、「人気」よりも、大切なのは「家族」や「愛」。
考えてみるとこいつは、オモチャが持ち主の少年の元に帰る為のロード・ムービーだった「トイ・ストーリー」と、ほぼ同じエッセンスだけど(笑)、犬が愛を求めて飼い主の下へ戻るロード・ムービーは、やっぱり、ほっこリ暖かくて、ちょっと泣けて、そして、なんともシアワセだ。



■こっちの吹き替え版の「ボルト」は佐々木蔵乃介