2009年6月に急逝したマイケル・ジャクソン。1ヵ月後にロンドンで公演される事が決まっていた史上空前のスケールのライヴコンサート「THIS IS IT」を前に、死の数日前まで行われていたリハーサルを収録したドキュメンタリー。
全世界2週間限定同時公開と言いつつ、早くも延長が決まった(笑)話題の「THIS IS IT」を見てきた。
映画の日のシネコンは満員。常にキング・オブ・ポップとしてエンターテインメント業界に話題を提供し、君臨してきたマイケル・ジャクソンも、享年50歳を超えていただけに、実に幅広い年齢層が上映開始を待っていた。
この作品は2つの顔を持っている。
ひとつは、「THIS IS IT」という巨大なステージを創り上げていく、スタッフ、ミュージシャン、ダンサー、そしてマイケル・ジャクソンの姿を追ったドキュメンタリーという側面。
ゴシップ記事の数々で、半ば奇人扱いと言えなくも無かったマイケル・ジャクソンだが、ステージにかける完璧主義的な姿勢など、エンタテインメントの巨大プロジェクトが成立していくプロセスを追っているこの映像からはエンターティナーとしての彼の凄みが伝わってきた。
もうひとつが、ライヴステージを焼き付けたエンタテインメントとしての側面。
あくまで、リハーサル映像ではあるのだが、年齢を重ねても衰えることの無い歌やダンスを往年のヒット曲中心に聴けるのは、やっぱりファンにとってはたまらないと思う。
実際、アレだけ大掛かりな、装置を準備し、演出を重ねてきたステージが、公演目前のところで主役の死というアクシデントに見舞われ、日の目を見なかったわけだ。
ショー・マスト・ゴーオンというわけにはいかなくなった巨大ステージ。
しかし、「THIS IS IT」の総合演出を担っていたケニー・オルテガ自らが、このドキュメンタリーをディレクションしたことで、巨大プロジェクトの一端を別の形で再現させることに成功した。
この作品には、マイケル・ジャクソンが成し遂げたかったステージに対する想いが溢れているだけでなく、半分はケニー・オルテガの執念で構成されている様な気がする。
それでも、やっぱり、ライヴを映像として見ている限り、その場の鳥肌の立つ様な興奮や、空気感までは伝わってこないんだよね。正直、俺は曲の途中で何度も眠くなってしまった。
おそらくハロウィンの馬鹿騒ぎで疲れていたからではなく...。ちと、内容に対して長かったかな。
実際、そんなにマイケル・ジャクソンに強い興味を持っていなかった俺でさえ、これを生で見れたらさぞ、凄かったに違いないと残念に感じる程の映像だった事は確かなんだけどね。
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