22世紀。青い肌と人間よりも大きな体を持ち、原始的な生活を送る先住民族“ナヴィ”が暮らす衛星パンドラの地下には莫大な利益をもたらす鉱物が眠っていた。人類は、ナヴィを排除してこの鉱物を手に入れるべく、ナヴィと人間のDNAを組み合わせた肉体“アバター”を生み出し、オペレーターの意識をリンクさせて分身として、ナヴィたちの中へと送り込み、採掘の機会を窺っていた。
車椅子の生活を送っていた元兵士のジェイク(サム・ワーシントン)も、アバターのオペレーターとして計画に参加、だが、やがて族長の娘ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と恋に落ちる。しかし、刻一刻と、人類による総攻撃の時間は迫ってた。全編に渡ってCGIで描かれた異世界。文化も言語も、生物や気候、風景に至るまで徹底的に創りこまれたその世界が、なんと3Dで立体的に眼前に迫ってくる。
そのインパクトは「ジュラシックパーク」であたかも生きているかのようにしなやかに動く恐竜達の姿に興奮して以来の刺激的な映像体験だった。
しかしそれでいて、お化け屋敷の様にあざとく立体映像で驚かせるための仕掛けを散りばめた、疲れる映像にはなっていない。あくまで、画面の奥行き、世界の広がり、ダイナミックなストーリーを盛り上げるための3D。
つまり、あたかも、自分までナヴィに降り立ったかのようなリアリティを与えるための演出として、3Dは機能している。そして、この作品は間違いなく、エンタテインメントにおける映像技術のひとつの到達点と呼ばれる事になるだろう。
ストーリーは白人がかつてインディアンにしてきたような征服のエピソードである。
そして、人類による身勝手な環境破壊が、この作品でもまた繰り広げられる。
作品が言わんとしている事は、物凄くシンプルであり、先の読める展開には様々な意見や感想が寄せられるかもしれない。そして、2時間半を超える長尺は、ハッキリ言って長すぎた。
しかし、イマジネーションに溢れた映像と、シンプルなストーリーは、演じる役者そのもののアバターとして画面を動き回る青い異星人を「美しい」と思わせるほどの魅力に溢れていた事も事実。
絶対に3Dで愉しむべき映画だ。
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