2012年5月2日水曜日

テルマエ・ロマエ / 異色コミックの素敵な部分をイメージ通り、見事に実写化

古代ローマの浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は、公衆浴場で溺れ突然、現代日本の銭湯にタイムスリップ。そこで出会ったのは、漫画家志望の真実(上戸彩)たち“平たい顔族”(日本人)だった。
日本の風呂文化に衝撃を受けたルシウスは古代ローマに戻ると、そのアイデアを利用して大きな話題を呼び、やがてはハドリアヌス帝(市村正親)からも風呂作りを命じられる程の成功を収めていく。
風呂で溺れてタイムスリップを繰り返すたびに、現代日本から持ち帰った衝撃的風呂文化をローマの風呂作りに持ち込んで、浴場技師としての名声を得ていくルシウスだったが....。


よくもまぁ、こんなアイディアを思いついたよなぁと、読んで感心したヤマザキマリのコミック「テルマエ・ロマエ」を原作に、なんと阿部寛、北村一輝、宍戸開、市村正親ら濃い顔の日本人キャストたちが、イタリア人に混じって何の違和感も無く古代ローマ人を熱演。
市村正親なんかはもともとミュージカル出身の演劇人だから、外国人的身のこなしもバッチリで見事な皇帝ぶり。北村一輝なんて、もうローマの彫刻にありそうな風貌だ(笑)。

加えて、イギリスの大作ドラマ「ROME」で使ったチネチッタの巨大オープンセットが流用されていて(このドラマにハマってた俺としては、物凄く懐かしい風景がそこに!!)、本場の迫力に本気で作ったなかなか野心的なカルチャーギャップコメディなのである。

凄く気合入れて画作りしているローマのシーンに対して、タイムスリップのシーンは、そんなところに、世界三大テノールのひとり(プラシド・ドミンゴ)を使うなよという豪華さと、あえてのチープさを取り混ぜた奇跡の演出(笑)で馬鹿馬鹿しいほどにコミカル。
タイムスリップした日本の露天風呂のシーンでは、俺も大好きな伊豆の大滝温泉のあの画になる滝壺の脇の露天が何度も出てきたり、久しぶりにCM以外で上戸彩のコメディエンヌ振りが見られたりと非常に楽しかった。

異色コミックの素敵な部分をイメージ通り、見事に実写化したこの作品。
見終えると、あったかい風呂に入りたくなると同時に、当たり前に思ってた日本の風呂文化の素晴らしさに、改めて気付かされます。


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