2012年5月20日日曜日

ダーク・シャドウ/とにかく女優陣が豪華で楽しいカルチャーギャップ・ホラーコメディ

コリンズポートの町の裕福でプレイボーイなバーナバス(ジョニー・デップ)は、使用人のアンジェリーク・ボーチャード(エヴァ・グリーン)を失恋させる。
しかし実は魔女であった彼女は、バーナバスの婚約者を呪いで殺し、さらにはバーナバスをヴァンパイアに変え、生き埋めにした。
二世紀の後、棺は工事現場で掘り起こされ、バーナバスは眠りから覚めた。
しかし、かつて壮大で華々しかった彼の土地はすっかり朽ち果て、さらにコリンズ家の末裔は土地同様に落ちぶれ、それぞれが暗い秘密をひたすら隠して生きていた。
バーナバスは、亡父の「唯一の財産は家族だ」という言葉を胸にコリンズ家の復興を目指すのだが……。


ティム・バートン監督×ジョニー・デップの8度目のタッグ作品。
もう、ティム・バートン監督のユーモラスで不気味で毒のある世界に、顔を白塗りにしたジョニー・デップという組み合わせはマンネリだよねと思いつつも、今回は、お馴染みのヘレナ・ボナム=カーターだけじゃなく、エヴァ・グリーンに、迫力たっぷりに老けたミシェル・ファイファーそれに「キックアス」以降、みるみるオンナになっていく注目株クロエ・グレース・モレッツなどとにかく女優陣が豪華で楽しい。

特に今回のヒロイン、ヴィクトリア役のベラ・ヒースコートって女優さんは全然知らなかったんだけど「コープス・ブライド」や「ナイト・メア・ビフォ・クリスマス」のヒロインにどこか通じる薄幸そうな美貌で、バートン監督のタイプなんだろな多分...とか、勝手な想像が膨らんだ(笑)。

作中しばしば語られる「血は水よりも濃い」という表現に在るように、これは代々呪われてきた一族が、呪いの元凶で代々一家を呪い続けてきた魔女と対峙する話であり、ブラックで笑える味付けだが、時代を超えた適わぬ恋の物語になっている。

ゴシックなバンパイアがカルチャーギャップに苦しむ様は、見ていて面白いし、敢えて2012年ではなく、1970年代に舞台設定してあるのもユニーク。
血に飢えていることに自責の念があり、心から一族の繁栄を願っていて、出来れば人間に戻りたいバーナバスは何処と無く「妖怪人間ベム」みたいな愛すべきキャラクターだ。

アニメ以外のティム・バートン作品の中では、この5年を代表する作品だと思う。


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