2011年12月11日日曜日

リアル・スティール/ロボットもいいけどキャストが最高

人間の戦うボクシングの時代は終わり、高性能のロボットたちが死闘を繰り広げる“ロボット格闘技”が盛んに行われている2020年。
生きる場所を失ったプロボクサー崩れのチャーリー・ケントン(ヒュー・ジャックマン)は、ロボット格闘技のプロモーターとして業界に何とかしがみ付いているものの連戦連敗でロボットは屑鉄状態。資金は尽き、どん底のすさんだ生活を送っている。
そんな折、赤ん坊の時に別れたきりの息子マックス(ダコタ・ゴヨ)が最愛の母を亡くして目の前に現れる。
最悪の親子関係の始まり。しかし、旧式ロボット「Atom」をゴミ集積場で掘り起こしたことを切っ掛けに、チャーリーは、親子の絆とすさんだ生活から決別して戦う勇気を徐々に取り戻していく。


糞野郎が、実の息子と再会し絆を取り戻す不恰好な「家族愛」の映画であり、スポ根要素も入ったアクション映画であり、何といってもロボット映画。
監督は「ナイトミュージアム」のショーン・レヴィという事で、色んな要素を欲張って入れた割に、馬鹿がつくほど単純明快で気持ちいいテンポに仕上げてくるのはお手のもの。
子供からオトナまで見る人を選ばずに楽しませてくれる正月映画にピッタリのエンタテインメントだ。

当然だけどロボットのアクションシーンは、本当にそこにそれが居て戦っている様に見える。CG技術と役者の演技は、違和感を感じさせることは無いし、ロボット同士の格闘技は試合形式で進行するから、はるかに「トランスフォーマー」なんかよりも見ていて解りやすく、感情移入できる。
言ってしまえば極めてアニメ的なロボット格闘技を実写で見せて、容易に予測可能な親子のドラマで構成した映画。これが安い印象で終わらなかった最大の功績は、素晴らしいキャスト陣の演技にありそうだ。
とんでもない糞野郎でも、愛すべきキャラクターに変えてしまうヒュー・ジャックマンの魅力は光っているし、子役のダコタ・ゴヨもいちいち可愛くてしかも、演技派。
決して派手ではないけど、母性を感じさせるヒロインのエヴァンジェリン・リリーも素敵だ。
そして、別に喋るわけじゃないし、プログラム通りに動く設定でしかないにも関わらず、あたかも感情があるかのようにロボット「Atom」を描く演出も良かった。

とにかく試合シーンは、テション上がるので、難しいコト言わずに、子供に戻って楽しもう。


0 件のコメント: