黒幕は、麻薬取引や武器密輸で暗躍し財を成す、通称クリスト。
アメリカ海軍特殊部隊NAVY SEALSに出動命令が下り、彼らによる急襲作戦はエージェントの救出に成功する。
押収された携帯電話を分析すると、クリストはイスラム系テロリストを支援。
新型の自爆テロジャケットを着込んだテロリストが、国境を越えアメリカへ向かおうとしていることが判明する。
「最前線を追体験」。
踊るキャッチコピーに嘘は無い。前代未聞。アメリカ海軍の誇る特殊部隊員自らが、自らを演じ、本物の装備と銃器、実践さながらの設定の下に対テロ戦争を描く、迫力いっぱいの本作。
あたかも彼らと行動を共にしているかのような映像体験は、観客にも緊張感を強いるもので、鑑賞後はどっと疲れる。
かつて無い規模と内容で米軍全面協力の映画だけに、家庭に帰ればよき夫でありよき父親、仲間とは公私共に一心同体、そしてヒロイズムと、多分に米政府のプロバカンダ的な要素が含まれて居そうな予感はあったのだが、それ以上に伝わってくるのは血と埃にまみれたリアリティだ。
時として残酷で、一瞬の判断の違いが生死を分ける戦闘へ、命令があれば実際に世界の何処へでも展開する彼らが演じているのは彼ら自身。
映画本編の殆どを占めるのは戦闘シーンだけに、役者が演じるミリタリーアクション映画と、本作はその本物感において比ではないが、ドラマ部分でも役者が演じる以上に、等身大の演技をみせる隊員たちの姿に、秘密のベールに包まれていた特殊部隊が、映画で主演を務めちゃうんだから、時代も変わったもんだと思わずにはいられなかった。
有名な役者不在。
まるでドキュメンタリーでも見ているかのような109分。
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