2012年7月21日土曜日

ソニーの定額制音楽聴き放題サービス「Music Unlimited」に登録してみた

とうとう日本にも上陸したソニーの定額制音楽聴き放題サービス「Music Unlimited」に登録してみた。

30日間の無料体験期間以降は継続すると月額1,480円のクラウド音楽配信サービス。
ソニー、ユニバーサル、EMI、ワーナーの主に洋楽とインディの楽曲1,000万曲が、PCやPS3、外出先ではアプリを通じてAndroidやiPhoneなどのスマホ、そしてPS Vitaなどで楽しめる。

日本のレコード業界のCDの生産規模は最盛期の半分以下になってしまい、10年近くにわたってそれを違法なダウンロードのせいにばかりしているうちに、今度はケータイのスマホ化で着うたに牽引されていた配信の市場までも規模の縮小トレンドに歯止めが利かなくなってしまったというのが今の状況。
海外で盛り上がっているこの手のサブスクリプションサービスから、国内のレコード会社が目を背け続けることが得策とは、俺には思えない。
だからとっとと、邦楽の楽曲も解禁しとけよと思うわけだが、今のところは前述のとおり洋楽中心だ。

月額1,480円と言えば、輸入盤1枚くらいの価格だ。
かつては月に5,6枚はアルバムを買っていた俺が、パッケージ、配信を問わず今や年に2,3枚分しかアルバムにカネを消費しなくなっていることを考えても、1,480円×12ヶ月をユーザーが支払ってくれるかもしれないサービスは、業界全体を今より潤わせる可能性が大きい。

海外では当たり前に普及し、合法的な音楽業界の収益源として注目されている月額聴き放題のサービスが、ようやく国内でも展開できるようになったことは素直に歓迎すべきことだと思う。

ここからは、あくまでエンドユーザーの一人として使ってみて思ったこと。
「Music Unlimited」は、まだまだ発展途上だ。

結論として
個人的には1500円近く支払う価値には至っていなかった。

使用感は自分にパーソナライズされた洋楽の有線放送を聴いている感じ。
ラジオかアルバムを通して聴いている状況に、非常に近いのだが、戴けないのはたまに、というか、しばしば(笑)途切れること。
これは音楽を有料で聴かせるサービスである以上、最低限乗り越えて欲しい課題だ。
HE-AAC 48kbpsというビットレートはぶっちゃけ、アーティストが公式にYoutubeに上げているPVと然程、音のクオリティに差がでない。
むしろ、操作に対するレスポンスや、安定感は動画まで見れるYoutubeの方がはるかに上を行く様に感じた。

俺は、外で音楽を聴くなら、デジタルアンプ等を搭載して聴かせる為のシステムにこだわったウォークマンでと決めている。
しかし、なんとAndroidのOS積んだウォークマンにしか、「Music Unlimited」は対応してくれていない。つまり俺の愛機では聴けないのだ。
ソニー製のサービスなのにソニーが音楽を聴かせるために技術を磨いてきた従来からのハードウエアには未対応という悲しさ。

仕方なく、iPhoneアプリで聴くわけだが、ビットレートが低くて、哀しいくらいに薄っぺらいチャチな音質が、そもそも音が安いiPhoneで聴いているせいで余計に際立ったように感じ、一気に萎えた。(個人の主観ですw)

AndroidやPS Vitaでは、事前にインターネットに接続してプレイリストやチャンネルをキャッシュすることで、オフライン再生も可能。地下鉄や飛行機など、インターネットに接続できない環境でも、お気に入りのプレイリストやチャンネルを楽しめることになっているのだが、これにもiPhoneアプリは未対応。
ストリーミングしながらの再生で時折ブチッと音が途切れるし、早送りも巻き戻しも無くて、曲単位での送りと戻ししか出来ない。

そんなわけで、少なくともソフトバンクのiPhoneで、地下鉄通勤メインの俺にとっては、現実的に「Music Unlimited」の外での利用は楽しめないことが分かってきた。
これがAndroidのスマホやウォークマンだと、どう聴こえるのだろう。
試せる人は感想をぜひ、聞かせておくれ。

そんなわけで、ひとまず、俺は30日間の無料期間が終わったら解約する事に決めた。

それでも、この間、愛用しているVAIOの1.5TBのHDDがクラッシュして、おびただしい容量の楽曲ファイルの避難と、工場から復活して返ってきたPCへの再投入に、瞳孔が開きそうになるほどの時間を費やしたばかりの俺としては、個人が個々にとてつもない量の楽曲ファイルをストレージしておく時代より、クラウドベースで音楽を楽しむスタイルの方がはるかにスマートだと信じている。

だから、ソニー頑張れ。
はやく使い物になる、サービスに「Music Unlimited」を育ててくれ。
なんといってもお前は今や、世界最大のタイトル数を誇る音楽出版事業を抱えている企業体なんだから。
 “make.believe”させてくれよ。メッセージの意味はよく分からないけどさ。

かつてCDやDVDの流通でゴハンを食べさせてもらっていた端くれとして、そして何よりひとりの音楽ファンとして、ソニーよ。君に俺は期待している(笑)。

■今、「Music Unlimited」で一押しされてるChris Brown。
 自宅のサウンドシステムに繋げたときの音質は↓の動画とほぼ変わらない。


■「Music Unlimited」
http://www.sonyentertainmentnetwork.com/jp-ja/music-unlimited/why-music-unlimited/

*この投稿の内容は多分に個人の主観が含まれています。
だから、実際どうなのよと思った、そこのお前は、ちゃんと自分でアカウント作って、先ずは使ってみることをお奨めする。1ヶ月無料だし。

<余談>
日本レコード協会の統計資料
(2011年版) http://www.riaj.or.jp/issue/industry/pdf/RIAJ2011.pdf
(2012年版) http://www.riaj.or.jp/issue/industry/pdf/RIAJ2012.pdf

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