やがて、遺跡に描かれていた星の所在が明らかになり、謎を解くため、巨大企業ウェイランド・コーポレーションはプロジェクトを結成した。
エリザベスや恋人ホロウェイ、女性監督官ヴィッカーズ(シャーリーズ・セロン)、精巧なアンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)らは宇宙船プロメテウス号に乗り込み、未踏の惑星を目指して出航する。
「エイリアン」の巨匠リドリー・スコット監督の新作は、なんと「エイリアン」の前日譚。
作品を謎に包んだプロモーション戦略の影響もあってだろうか、人類の起源などと大袈裟なテーマを振りかざしてはいるが、実はこの作品が「エイリアン」と関係が深いことすら、知らないであろう人は結構多い。
賛否が分かれるところだが、俺は、これはこれで賢明な判断だったのではないかと思っている。いや、むしろこの作品は世界観を「エイリアン」から借りてきているだけで、あれとは全くの別物と考えた方がしっくり来る出来栄えだと思った。
方々で辻褄が合わないと感じたり、デザインに違和感を感じたり、あの巨人なんだよとか、いろいろ突っ込みたくなってしまうのは、結局「エイリアン」の前日譚だと思って見ているからであり、これが独立した1本のSFホラー映画だと思えば、これにはまた少し違った印象を持っただろう。
それにしても、謎は謎のまま、理解不能なレベルで大袈裟に振りかざした「人類の起源」を結局うやむやにして終わらせてしまうこの作品。非常にもやもやする事は確かだ。
人類を創ったのかもしれない「エンジニア」と呼ばれる種族の目的が何だったのかも、よく分からず仕舞い。
しかし、スケール感、世界観、恐怖感、謎、全てにおいてよく出来た「雰囲気」の作品だ。
正直なところ、この中身で124分、興味を引っ張っる様な芸当は、巨匠でなければ難しかっただろう。
早くもこれの続編製作の話題が出ているが、俺は特に強く見たいと思わない(笑)。
嫌いではないが、誰かに絶対見た方が良いと薦められるような類の映画でもなかった。
映画としては、はっきり言ってガッカリした。
主人公の考古学者のエリザベスを演じたノオミ・ラパスは、「ドラゴン・タトゥーの女」のときの印象とはまた違って、可愛い女性らしさを感じさせるキャラクターになっている。それでいて、恐怖に蹂躙されながらも立ち向かい戦う姿は、まんま現代版のリプリー(「エイリアン」の主人公、シガニー・ウイーバーが演じたキャラクター)だ。
人間には、大きな野心があり、巨大企業のすることの裏には秘密の計画がある、そして戦う女性主人公...なんてのが、結局、「エイリアン」の世界観を貫いて語られてきた内容であり、簡単に言えば人間たちが自業自得で大変な目に逢うパニックホラーである。
そう考えてしまえば、3DやCGIで進化した映像以外、テーマ性に新鮮味なんてホントに全く無く、それでいて旧作品とは辻褄の合わない、単に、もやもやしたSFって事になってしまう。
なんで今、敢えてこの内容で撮ったんだ?そもそも製作の意図が分からない。ホント、止めとけば良かったのに(笑)位のことを「エイリアン」ファンだった俺に感じさせる、なんだか高尚な「雰囲気」のSFホラー。
あ、そうそう。シャーリーズ・セロン出てるよ。冷酷な役だったけど、綺麗だった。
この駄文に付き合った上で、それでも興味湧いた人は是非!!
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