どうしようもなく下品で低俗で、でも可愛くて、愛せるコメディ映画の登場だ。
1985年、ボストン郊外。
誰にも相手にされない孤独な少年・ジョンは、クリスマスプレゼントでもらったテディベアと、本当の友人になれるよう天に祈りを捧げる。
「本当に、君とおしゃべり出来たらいいのに」
そんなジョンに奇跡が起きて、ティディベアに命が宿ると言う馬鹿馬鹿しくも美しいファンタジーは冒頭だけ。
27年後。
ジョン(マーク・ウォールバーグ)は、中学生的ノリの抜けないダメ男に成長、テッドも下品なジョークと女の事で頭がいっぱいの中年テディベアに成り下がり、4年間付き合っている彼女ローリー(ミラ・クニス)から、自分かテッドのどちらかを選ぶよう迫られてしまう。
設定を考え、監督とテッドの声の吹き替えまでこなしたのは、テレビ業界のバラエティ番組の製作出身のセス・マクファーレン。
中学生的なノリがいつまでも抜けない、主人公に彼と同世代のマーク・ウォールバーグを起用したのも、絶妙のキャスティングだ。
なんせ、彼は今でこそ俳優として成功しているけど、俺が高校生の頃は、白人系の不良少年ラッパー「マーキー・マーク」として、ヒットを飛ばしていた、ちょっとイタいアイドルだった。
今や封印している過去のそのキャリアについても、さりげなく作中でネタにしつつ、やや全体的にタルみの気になる駄目独身中年を演じる彼に、これまでにない親近感を覚えた、彼らとほぼ同世代でかつ独身の俺(笑)。
「これは、もしかして俺達の映画なんじゃないか?」
完全に女子から呆れられる方向感のお馬鹿で中学生的なノリに、不覚にも俺は同じ匂いを感じてしまった(笑)。
つまりこの作品、監督、主演、そしてテッドと同じ現在30代の男性観客なら、オタクな部分も含め、大受け出来るネタが散りばめられている。
一般的に女子は実年齢より精神年齢高いと思うけど、脳内が恒常的にパーティーなダメダメ30代の所業を「しょうがないわねぇ」と許容してくれる精神的にオトナな女子の存在は、実に大きいぞ。
生きてるティディベアが居たとして、それ以上に大きいぞ!!とこの作品は、俺達を諭す(笑)。
しゃべるティディベアの「テッド」は、男が多かれ少なかれ持っている、中学生的な部分やオタクな部分のメタファーだけど、それを自分の個性としてちゃんと認めつつ、責任あるオトナとして成長しようとするジョン。
これは、ある意味、第二の青春映画なんだ。(爆)
「テッド」は、ビジュアルが可愛いから、結構、女性の観客も多かったけど、下ネタ満載だし、人によって笑いの許容範囲は違うから、デートムービーとしては微妙かもしれない。
(これを一緒に馬鹿笑いしてくれる彼女ってのが居るなら、素敵だと思うけどね)
出来れば30代の酔っ払いな仲間たちと、酒を片手にワイワイギャハギャハ、楽しみたい作品だ。
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