2013年2月2日土曜日

ストロベリーナイト

左目が縦に切り裂かれた4件の殺人事件。
各事件の被害者はすべて広域指定暴力団・龍崎組の構成員だった事から連続殺人事件と見た警察は、中野東署に合同特別捜査本部を設置。
 しかし、匿名電話で捜査線上に「柳井健斗」の名前があがったとき、その名前には一切触れないよう警察上層部から現場に圧力が掛かる。
 納得できない警視庁捜査一課・姫川(竹内結子)は、密かに単独捜査を開始する。 


猟奇的な殺人事件などを題材に、しばしば登場する地上波としてはおそらくギリギリのショッキングな事件現場の描写、捜査する側、される側の心の内面に潜む闇や、葛藤。
警察組織をリアルに描いた警察小説を豪華キャストを配して映像化した「ストロベリーナイト」は、画としても豪華で、久しぶりに毎週目が離せないドラマだった。
 テレビドラマの水準を超えて、映画的だった「ストロベリーナイト」を締めくくる最後の事件いうのがこの作品のふれこみ。

 管理官の橋爪(渡辺いっけい)や上司の今泉(髙嶋政宏)、「天敵」のガンテツこと勝俣(武田鉄矢)や、日下(遠藤憲一)もちろん姫川班の菊田(西島秀俊)をはじめ石倉(宇梶剛志)、葉山(小出恵介)、湯田(丸山隆平)らドラマを盛り立ててきたキャストはそのままに、本作では姫川と禁断の恋仲に発展する龍崎組若頭補佐の牧田役に大沢たかおを迎えて、殆どのシーンが「雨」の「インビジブルレイン」。

時に冷たくときに哀しくスクリーンに降り注ぐ「雨」は、映画ならではの美しさ。
謎めいた連続殺人とそこに隠された幾つもの思惑、警察組織の腐敗。
せつな過ぎる菊田の純情。そして、強さを秘めた竹内結子の美貌。
 映画として、ひとつのシリーズの締めくくりとして、非常に潔い結末を迎えるわけだが、あまりに魅力的なシリーズだっただけに、このドラマの続きをもっと見てみたいと思わずには居られなかった。

 敢えて難を言うなら、少しふくよかになった印象の大沢たかおは、少々、映りが好青年すぎたかもしれない。
本作の要である見た目は紳士的で人望がありながら、凶暴さを秘めた野生的二面性が、時としてギラギラと垣間見えるような「牧田」というキャラクター。
この役をもっと活かせるキャスティングだったら、もう一段二段、この話は面白くなっていた気がする。

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