国家によるメディア検閲が正当化された日本を舞台に、「知る権利」や「本を読む自由」を守るため図書館が自衛して国家権力と攻防を繰り広げる。
有川浩のベストセラー小説が原作。
少し前にはアニメ化もされている人気の作品を「GANTZ」を実写化した佐藤信介監督の手で映画化したのがこの作品だ。
資料収集の自由、資料提供の自由、利用者の秘密保持、全ての検閲への反対。
劇中に登場する宣言は、1954年に図書協会が定めた実際のもので、原作の有川浩はこれを命懸けで図書館が守ったら...という発想でこの物語を生み出したのだという。
「本を焼く国家はやがて人も焼く」という台詞が出てくるのに代表されるように、全く架空の世界の物語でありながら、人々の無関心がやがて気付かぬうちに当たり前の自由を奪い、権力者の都合のよいような全体主義的な社会になってしまうかもしれないという強烈なメッセージに貫かれたこの作品は、思いの外、見応えがあった。
原作の有川浩は自衛隊を中心に物語を描く事で有名な若手作家だが、むしろ国家権力の代表ともいえる自衛隊が、図書館を守る「図書隊」という架空組織を描くために映画に全面協力して、ただならぬ迫力をスクリーンに与えていることに少しばかり驚いた。
しかしこれは、自衛隊が原作者の企画に好意的だという以上に、図書隊の信条が「専守先制」という自衛隊の根幹姿勢と立場を同じくしているからという理由が大きいかもしれない。
とにかく邦画としてはかなり派手な戦闘シーンが展開され、この架空の世界にリアリティを与えている。
加えて、主役の笠原を演じる榮倉奈々の健気さというか、図体のでかい体育会系純情乙女っぷりが半端なく可愛い。
映画の日に見たとはいえ、これだけでもう1,000円の価値はあった(笑)。
いまやジャニーズきってのアクション俳優 岡田准一の演じる堂上とのコンビは、微笑ましくもあり、「ベタ甘」な世界が見事に映像化されていた。
終わってみれば、このコンビでの続編を見てみたい気になった。
だって榮倉奈々、可愛いんだもん。
0 件のコメント:
コメントを投稿