2013年2月2日土曜日

アウトロー

白昼に発射された6発の銃弾、5人が殺害。 
僅か1時間後に逮捕された元軍人の狙撃手、ジェームズ・バー(ジョセフ・シコラ)。
 だがバーは殺人容疑を否認し、彼がかつて軍で最も恐れていた男、ジャック・リーチャー(トム・クルーズ)への連絡を要求する。

 トム・クルーズは、どうやらまた一つ新しい当たり役を手に入れた様だ。
 もっとも自らプロデューサーとして作品の開発に参加し、「ユージュアル・サスペクツ」の脚本家、クリストファー・マッカリーにメガホンを取らせて作った作品だ。
 それなりの思い入れと気合が感じられる新しいダークヒーローになっている。

 ジャック・リーチャーは自らの信念に従い、真実と正義を追求する男。
常識やルールには一切とらわれないキャラクターで、状況証拠としては完全に不利な容疑者の潔白を徐々に確信し始める。
 はっきり言って、サスペンスとしてもエンタテインメントとしても、抜群の出来の作品ではない。
良い意味で、トム・クルーズの主演作としては地味。
 相手役の女性弁護士は、「タイタンの逆襲」でアンドロメダ女王をやってたけど、どうにも華がなかったロザムンド・パイク。
演技はそこそこだけど、やっぱり地味。
 脚本的にも、最後まで展開が読めないようなスリリングで抜き差しならないストーリーでは無いし、根底に流れる銃よりも拳で決着を付けたがる美学とか、突っ込みどころ満載だったりもするのだが、年齢を感じさせないトム・クルーズのアクションのキレと、人間くさく、痛みを感じる新しい主人公の魅力で、最後まで飽きさせない。

 やや強引に感じる展開もあるものの、軍人らしい洞察力と着眼点で、完璧に思える状況証拠の不可解な点を明らかにしていく過程は、中々面白い。
 助っ人として後半に登場するキャラクターの存在も含め、随所に散りばめられた笑いの要素も、結構ツボだった。ネタ的にかなり好き。

 トム・クルーズ主演作でありながら、チマチマと、こじんまりまとまっている流れ者の話で、CGではなくライヴなアクションにこだわった演出。
 トムをはじめに作ってる側が好きなんだろうね。こういうテーマ。
事件を解決した流れ者は、またどこかへ姿を消す。
そうか、懐かしいこの感じの理由は、西部劇を現代でやっているみたいだからだ(笑)。
それで、結果として、実にいい味が出ている。
 上手くすれば、シリーズの回を重ねるごとに面白くなるかもしれない。
もちろん、考えてるんだよね?続編。(笑)
 

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