2009年1月18日日曜日

007 慰めの報酬 / NARIZO映画レビュー

ボンドが初めて愛した女性ヴェスパーに裏切られたうえに死なれてしまった「007 カジノ・ロワイヤル」の1時間後からストーリーは始まる。

 ヴェスパーを操っていたホワイトを捕らえたボンドだったが、敵の手は英国情報部の中にまで及んでいた。やがて敵組織の幹部として環境保護活動を隠れ蓑にする企業家ドミニク・グリーンの存在が浮かび上がる。やはり、ある復讐を胸に抱く美女カミーユの援けを借り、敵に迫るボンド。自らの復讐と、任務のために....。

 ダニエル・クレイグになって、現代風に洗練されたジェイムス・ボンドの第2作目は、なんと、前作の続き物。しかも、観客に何の説明無しに前作の1時間後から猛スピードでストーリーを走らされてしまう。

でもね。前作がどんなだったかなんて、さっぱり覚えていなかった俺。
しばし戸惑う。(爆)

観客が前作の事を覚えてくれているのを当然のコトとして始まる続編映画ってのは、ついて行くのがしんどい。本編90分程度しかないんだから、少しくらい、気を遣って欲しかった。

いきなりのカーチェイスに始まり、冒頭からボンドが走る疾る。
前作同様、ボンドの若返り効果は、激しい演出を可能とし、アクション映画としての「007」に再び新たな息を吹き込んでいる。
ダニエル・クレイグのボンドは、助兵衛中年スパイなんかではなく、ストイックな肉体派だ。しかも、筋肉自慢をする様なタイプの肉体派ではなく、スタイリッシュで知性に溢れている。
一方、敵の組織は力が大きい上に得体が知れない。冷戦時代のスパイ映画の様に、敵や味方の判別が単純にいかないあたりも現代的だ。
そして地球環境の保全が国際的なテーマになる昨今、敵組織の狙いも、随分と様変わりしてきた。

畳み掛けるテンポでストーリーは進み、アクションも目まぐるしく、そして派手なのだが、終わってみると驚くほど、印象に残らない......なんか寂しい「007」だった。
ダニエル・クレイグの熱演は申し分ないのだけれど、ボンドガールも敵役も、なんだか印象が薄いんだよな。決してつまらなくは無いんだけどね。

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