2010年1月29日金曜日

ソラニン/NARIZO映画レビュー

OL2年目で会社を辞めた芽衣子(宮崎あおい)。 音楽への夢をあきらめきれないフリーターの種田(高良健吾)。不確かな未来に不安を抱えながら、二人は、お互いに寄り添い、東京の片隅で暮らしていた。ある日、唐突に訪れた種田の事故死。喪失感に打ちのめされた芽衣子は、愛する人を「忘れない」ため、「現実」を受け止めるために彼が残した曲「ソラニン」を歌うことを決める。

累計60万部の浅野いにおの傑作コミック「ソラニン」をPV出身の三木孝浩が初監督。

危なっかしいまでのキャラクターの繊細さ、青臭さい展開に、少しばかり乗り切れない感じだった前半から一転、中盤以降は切なく、最愛の恋人、友人を失ってしまった登場人物たちが、それを乗り越え、前に進むために、音楽を通じて一体となり、その想いが昇華していく様を熱っぽく魅せてくれる。
バンドのメンバーを演じたサンボマスターの近藤洋一や、桐谷健太の存在もよい。ちょっと過剰テンションだけど。それも含めて。

しかし、この作品の魅力の大部分は、何と言っても愛くるしい表情で、純粋なヒロインを熱演した宮崎あおいの演技に寄るところが大きい。自分に自信がもてず、彼氏の夢に自分の夢を重ねて刹那的に生きていた芽衣子が、遺された楽曲を通して前に進み、成長していこうとするその姿は美しく、力強く、しかしどこか儚げだ。
そんな危ういバランスを要求される役柄を嘘を感じさせず演じきり、ラストのグルーヴ感に溢れたライヴシーンまで、一気に駆け抜ける。妥協なく音楽と向き合って演奏し、歌い上げたリアリティと熱がスクリーンのこっち側にまでガンガン伝わってくる、あれは名シーンだった。

もうひとり、気になったのはオトナな雰囲気に成長した伊藤歩。
この二人の女優が魅力的に作品を引っ張って、線の細い、繊細な印象の高良健吾と絶妙なコントラストを醸しだしている。

「ソラニン」は、誰にでも多少は思い当たるであろう、青臭いけど瑞々しく、ちょっとイタかったあの頃の感情を呼び起こさせてくれる、そんな青春映画だ。


2010年1月17日日曜日

かいじゅうたちのいるところ/NARIZO映画レビュー

お姉ちゃんも、オトナも分かってくれない!
純粋だけど癇癪もちの8歳の少年マックスが家を飛び出し、船で向った先には、「かいじゅう」たちの棲む島があった


3歳の姪っ子が夢中になっていた名作絵本「かいじゅうたちのいるところ」。

改めて読んでも、ユニークな挿絵の力が強くて、ストーリーらしきストーリーもないこの絵本をスパイク・ジョーンズが映画化だって?マジで、出来るのかよ...と、半信半疑な好奇心でシートへ座った。

スパイク・ジョーンズといえば「マルコビッチの穴」みたいな、捻ってて奇妙で、哲学的コメディのイメージが俺の中では強い監督なのだが、今回も、実に奇妙な題材を選んだもんだ。w

内容はといえば、子供の様に無邪気で、純粋で、傷付き易い「かいじゅう」と少年の心の触れ合いを描いた不思議な魅力をもった作品になっていた。

挿絵の雰囲気そのままに、えらくリアルな表情を見せるかいじゅうたちが、見てると意外なほど凄いアクションを繰り広げたりするので、そこは俺の中ではかなり笑いのツボだったんだけど、見ているうちに、どんどん、忘れ掛けていた子供の頃の感情が蘇ってくるような気になった。

癇癪を起こして、相手に当り散らした後、「ごめんね」って反省したり、大好きなトモダチと駆けずり回って楽しかったり、ひとりぼっちになるのが寂しかったり、喧嘩したり。
きっと今も心の根底にはあるかもしれないけど、オトナになったせいでなかなか表には出てこない、子供の頃の豊かな感情を思い出させてくれる。

この映画は子供の絵本をむしろ、オトナ向けに映像化した..そういう作品になっていた。
そのせいで、すっかりかいじゅうの島で一緒に遊んだ気になっていた俺は、別れのシーンでちょっとだけ哀しくなったりしたのだった。

コドモの心に少しだけ戻れる不思議な映画。




2010年1月9日土曜日

Hour Face /老化シミュレーションiPhoneアプリ

iPhoneを買ってからというものほぼ毎日、アプリを衝動買いしている俺。
殆どは、無くても困らない下らないアプリを楽しんで遊んでる感じなのだが、このほど見つけてきたiPhoneアプリ「Hour Face」があまりに面白かったので、ブログで紹介してみようと思う。

この「Hour Face」。何をしてくれるアプリかというと、至って簡単。
iPhoneで撮影した写真をサーバーに送ると、年老いた姿に変換し、動画でその移り変わりを見せてくれるのだ。




先ず自分の写真を撮影しておく。続いて、その写真を指定すると、送信が開始される。
すると、数秒後。このような動画が生成されて、iPhoneに落ちてくる。
ちなみに元は静止画なので、まばたきや、首を傾げるしぐさは、デジタル処理の産物。




ソフトで「老化」された写真はiPhoneのアルバムにも載せられる。



馬鹿馬鹿しいけど、凄い。呑み屋で盛り上がること、間違いなし!!

2010年1月5日火曜日

【今年見たい映画】タイタンの戦いがリメイクされる件

子供の頃(80年代の初めの頃ね)、大好きだった映画に「タイタンの戦い(原題 Clash Of The Titans)」ってのがあった。

これは、ギリシャ神話を題材にしたファンタジースペクタクルで、ペガサスが出てきたり、メデューサガ出てきたり。CGなんて、全然無かった当時としては、役者のライヴアクションに、ミニチュアのモンスターをコマ撮りしたのを合成する手法がとられていて、この手法の大家だったハリー・ハウゼンの代表作としても有名。

当時、子供だった自分から見ても、かくかく動く神話のモンスターはユーモラスに感じた。
最近の表現で言うと、まさに「キモカワイイ」クリーチャーが色々出てくる。
これがまた、なかなか味があって、何度と無く、ビデオを見たものだった。

これが当時の予告編。完全に忘れ去ってたけど、今見ると、時代を感じる。w
でも、スゲェ味有るなぁ....。






で、何で突然こんな話題で書いてるかというと、今年のGW公開でなんと、この「タイタンの戦い」のリメイクが公開予定だからです。
予告編を見る限りでは、忠実なリメイクってワケではなさそうだけど、今の時代に受けるシナリオと演出、最新のCGIを用いて、何か、スゲェぐっと来る映像になっている。
いや、間違いなく面白いに違いないと思っているんだけど(贔屓目/笑)、この映像...キテるね。
オリジナルの「タイタンの戦い」のエッセンスに「300」張りのケレン味を感じんジャン。
いやぁ...ゴールデンウィークが待ち遠しい。