2010年1月17日日曜日

かいじゅうたちのいるところ/NARIZO映画レビュー

お姉ちゃんも、オトナも分かってくれない!
純粋だけど癇癪もちの8歳の少年マックスが家を飛び出し、船で向った先には、「かいじゅう」たちの棲む島があった


3歳の姪っ子が夢中になっていた名作絵本「かいじゅうたちのいるところ」。

改めて読んでも、ユニークな挿絵の力が強くて、ストーリーらしきストーリーもないこの絵本をスパイク・ジョーンズが映画化だって?マジで、出来るのかよ...と、半信半疑な好奇心でシートへ座った。

スパイク・ジョーンズといえば「マルコビッチの穴」みたいな、捻ってて奇妙で、哲学的コメディのイメージが俺の中では強い監督なのだが、今回も、実に奇妙な題材を選んだもんだ。w

内容はといえば、子供の様に無邪気で、純粋で、傷付き易い「かいじゅう」と少年の心の触れ合いを描いた不思議な魅力をもった作品になっていた。

挿絵の雰囲気そのままに、えらくリアルな表情を見せるかいじゅうたちが、見てると意外なほど凄いアクションを繰り広げたりするので、そこは俺の中ではかなり笑いのツボだったんだけど、見ているうちに、どんどん、忘れ掛けていた子供の頃の感情が蘇ってくるような気になった。

癇癪を起こして、相手に当り散らした後、「ごめんね」って反省したり、大好きなトモダチと駆けずり回って楽しかったり、ひとりぼっちになるのが寂しかったり、喧嘩したり。
きっと今も心の根底にはあるかもしれないけど、オトナになったせいでなかなか表には出てこない、子供の頃の豊かな感情を思い出させてくれる。

この映画は子供の絵本をむしろ、オトナ向けに映像化した..そういう作品になっていた。
そのせいで、すっかりかいじゅうの島で一緒に遊んだ気になっていた俺は、別れのシーンでちょっとだけ哀しくなったりしたのだった。

コドモの心に少しだけ戻れる不思議な映画。




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