2010年5月1日土曜日

ウルフマン/NARIZO映画レビュー

1891年、英国のブラックムーア。
兄ベンが行方不明になったことを、兄の婚約者グエン(エミリー・ブラント)の手紙で知らされたローレンス(ベニチオ・デル・トロ)は、25年ぶりに母の死をきっかけに疎遠になった父ジョン(アンソニー・ホプキンス)の住む、生家のタルボット城に帰ってくる。
だが、既に兄は無残に肉を削がれ、亡骸になっていた。
村には、満月の夜に謎の殺人鬼が出没するという伝説が残されており、満月の晩に人を狩る獣の影を目撃したローレンスは、それを追う最中、待ち伏せされて瀕死の重傷を負ってしまう。ジプシーに助けられた彼は、一命を取り留めるが、彼を襲ったものの正体がウルフマンであり、その牙に掛かった彼もまた、満月の夜に変身を遂げる宿命を背負わされた事に気付くのだった。
満月の夜、ローレンスは変身し、凶行に及ぶ。果たして、彼を満月の晩に襲ったウルフマンの正体は何者なのか!
彼は宿命を変えるコトが出来るのか!


 「狼男」を題材に、ベニチオ・デル・トロとアンソニー・ホプキンスという名優二人を主役に配し、現代の映像テクニックを駆使しながら、古典的な要素や伝説の設定に忠実に、正統派モンスター映画を作ったと聞けば、重厚で見応えのあるモンスター映画を期待するのは当然だろう。
事実、この作品は、そこらの3Dアトラクション映画なんかより、よっぽど魅力的だ。
残念ながら劇場の客席は、渋谷だって言うのに満月の夜の森の中の様に人影が無かったが、「狼男でしょ?」と馬鹿にせず、主役の二人のぶつかり合いを見に行くべきだ。この作品は、確かにモンスター映画かもしれないが、ドラマとして充分楽しめる作品になっている。
あと、忘れてはいけないのが、「プラダを着た悪魔」で有名になったエミリー・プラント。客席で、狼男に変身したくなるほど、この作品でも彼女は美しい(笑)。
もちろん、モンスター映画の類が好きなファン、B級映画ファンが楽しめることは請け合いだ。
いま、全盛のVFX技術に加えてSFXと呼ばれていた時代にホラー映画で名を馳せた特殊メイクの達人リック・ベイカー(有名なのはマイケル・ジャクソンの「スリラー」のPVや、「狼男アメリカン」、[Planet Of The Ape(リメイク版の「猿の惑星」)]など)が担当した変身シーンとか、お子様入場規制が掛かってるのが納得の肉片が飛び散るウルフマンの襲撃シーンは必見だし、2匹(人)のウルフマンが対決するシーンは、妙に動きがコミカルだったりしてB級映画ファンのココロも鷲掴んでくれるはずだ。(B級好きの皆さん、監督は「ジュマンジ」や「ジュラシックパーク3」のジョー・ジョンストンだぞw)
美術も、凄く良い雰囲気を出しているんだが、プロダクションデザインは「スリーピーフォロー」のリック・ハインリクス。
何といっても月に向って遠吠えするベニチオ・デル・トロだぞ。これを見ずしてどうする。
早くしないと、不入りで終わってしまいそうだから、この連休中に劇場へ急げ。


0 件のコメント: