2010年11月23日火曜日

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1/NARIZO映画レビュー

ヴォルデモート卿の復活が現実のものとなった今、魔法界は、闇の勢力に支配されつつあった。ハリー(ダニエル・ラドクリフ)、ロン(ルパート・グリント)、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)は、ヴォルデモート卿の「分霊箱」を探すうちに、「死の秘宝」についての伝説に出会う。その秘宝の強大な力を求めて、ヴォルデモートもまさに動き出そうとしていた。

第一作から10年。キャストともに成長した子供のファンタジーは、今や大人向けのダークファンタジーとして最終章を迎えた。
来年のPART2に向けたこれは序章に過ぎない本作では、のっけから圧倒的な闇の勢力の支配、裏切り、そして絶望が物語を支配していく。
原作は未見。
それでも、前作は予習しておかないと、誰が誰だか付いていけないし、辛い作品になっている。
原作ファンは言いたいことが沢山あるかもしれないが、140分を超えてくる本作は、正直、映画で語ろうとした内容に対して長すぎた。途中でダレるのだ。

しかしながら、VFXで描き出される、それこそ魔法的なシーンの数々や、ハリーを追い詰めていく闇の勢力の描写は素晴らしく、続きが気になって仕方ない。
それに今回は、屋敷妖精トビーが大活躍である。
そしてこれがまた、CGキャラなのに泣かせる奴なのだ。
もうここまで来たら、これは敢えて原作には手を出さず、最後までスクリーンで最終章に付き合おうじゃないか。
最終作には、もう少しテンポが欲しいけどね。w



2010年11月21日日曜日

ラスト・ソルジャー/NARIZO映画レビュー

紀元前227年、戦国時代の中国。衛の軍は粱の待ち伏せを受け、両軍ともに全滅。死んだふりをして粱で唯一生き残った兵士(ジャッキー・チェン)は、負傷した衛の将軍(ワン・リーホン)を捕虜にする。敵の将軍を捕虜にする大手柄を土産に、報酬の畑と金を当てにした兵士の故郷まで、事あるごとに対立を繰り返す二人の奇妙な旅が始まる。

ジャッキー・チェンが構想に20年を費やし、原案、主演、製作、武術指導を務めた中国製作のアクション映画。
戦場での名誉を重んじる将軍役に、甘いマスクの台湾人歌手ワン・リーホン。農家から徴兵されて、ひたすら平和を願う、抜け目無い兵士がジャッキー・チェン。
幾つもの苦難や裏切りを乗り越えて、やがて友情が芽生えるバディ・ムービーになっていくのは、想像の範疇だったが、ラストまで一貫して、一介の民が願う平和についてのメッセージに貫かれた良作だった。

先日も年老いてきた往年のアクションスター大集結の筋肉馬鹿アクション「エクスペンダブルズ」を見たばかりなワケだが(笑)、CGに頼ることなくあくまで肉体がぶつかり合うアクションで魅せる企画は同じでも、スピード感、テクニック、ストーリーの構成力、コミカルさと悲哀が同居する独特の味わい、全てにおいて、この作品は輝きを放っていた。



2010年11月6日土曜日

エクスペンダブルズ/NARIZO映画レビュー

自らを消耗品と名乗る“エクスペンダブルズ”は最強無敵の傭兵軍団。そんな彼らに依頼されたのは、南米のヴィレーナという島国で麻薬栽培を主な収入源にしている軍事独裁政権の壊滅だった

監督はシルヴェスター・スタローン。
脇を固める傭兵軍団が、スタローンに加えてジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ミッキー・ローク、ドルフ・ラングレン...特別出演でシュワルツツェネッガーやブルース・ウィリスまで顔を出す、金を掛けた悪ふざけとしか思えないほどの筋肉オールスターキャスト。
ひたすら撃ちまくり爆発音が鳴り響くのであろうというイメージ通り、爆発後の地面のように見終わった後、見事に何も残らない。キャストの顔ぶれ以上には残念なほど、意外性の無いアクション・エンタテインメントだ。

そう。
かつてアクション映画で主役を張ってた連中が、勢揃いした以上には、ホント驚きが無かったんだ。シュワルツツェネッガーやブルース・ウィリスに至っては、ほぼ出落ちだし(爆)。
みんな、歳取ったよね。
これだけのキャストが集まったのに、まぁ、何とも退屈なストーリーで途中、眠くなった。
だって、ホント、ストーリーは2行で説明出来ちゃう内容だからね。
敵役には悪の魅力というかカリスマ性も皆無で、出てきた瞬間から筋肉傭兵軍団と到底、強敵として渡り合えそうには見えない有様。
結果、南米の田舎に居る不良軍人を、圧倒的に強い筋肉馬鹿たちが一方的に叩きのめしに行ってるだけの映画になっている。
ヒロインも特に美人じゃないし。
どうせなら、凄い美貌のヒロインを用意して、筋肉オヤジどもが彼女を奪い合うような展開にした方が、よっぽど面白く見れた気がする。
そんなしょうも無い映画なのに、筋肉オヤヂ達は真剣そのもの。馬鹿映画だとは思っていない様子で、トホホと笑ってあげることも出来なかった。だから半端でイタイ映画だった。

スタローンはご満悦で、続編を作る気満々らしい。
ホント、脳まで筋肉なんだろうな。
こんな映画作って、脳の中の筋肉は筋肉痛にならないのだろうか?