2010年11月21日日曜日

ラスト・ソルジャー/NARIZO映画レビュー

紀元前227年、戦国時代の中国。衛の軍は粱の待ち伏せを受け、両軍ともに全滅。死んだふりをして粱で唯一生き残った兵士(ジャッキー・チェン)は、負傷した衛の将軍(ワン・リーホン)を捕虜にする。敵の将軍を捕虜にする大手柄を土産に、報酬の畑と金を当てにした兵士の故郷まで、事あるごとに対立を繰り返す二人の奇妙な旅が始まる。

ジャッキー・チェンが構想に20年を費やし、原案、主演、製作、武術指導を務めた中国製作のアクション映画。
戦場での名誉を重んじる将軍役に、甘いマスクの台湾人歌手ワン・リーホン。農家から徴兵されて、ひたすら平和を願う、抜け目無い兵士がジャッキー・チェン。
幾つもの苦難や裏切りを乗り越えて、やがて友情が芽生えるバディ・ムービーになっていくのは、想像の範疇だったが、ラストまで一貫して、一介の民が願う平和についてのメッセージに貫かれた良作だった。

先日も年老いてきた往年のアクションスター大集結の筋肉馬鹿アクション「エクスペンダブルズ」を見たばかりなワケだが(笑)、CGに頼ることなくあくまで肉体がぶつかり合うアクションで魅せる企画は同じでも、スピード感、テクニック、ストーリーの構成力、コミカルさと悲哀が同居する独特の味わい、全てにおいて、この作品は輝きを放っていた。



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