2008年10月31日金曜日

その男ヴァン・ダム/NARIZO映画レビュー


ジャン=クロード・ヴァンダム、47歳。
90年代を席巻したアクションスターも、今やそのスタイルは時代遅れ。ビデオストレート作品が続いてギャラは低迷。復活を期した作品は、主役の座をステイーブン・セガールにかっさらわれ、私生活では最愛の娘からいじめの原因になったと嫌われ、親権を失い、貯金も底をついた。

故郷ベルギーに戻って立ち寄った郵便局。そこは強盗に襲われている真っ最中だった。挙句に警官に犯人(しかも主犯格である)と誤認されてしまう。
ヴァンダム、郵便局を襲撃!!ニュースは世界を駆け巡った。
犯人と銀行に取り残されたヴァンダムの不幸な一日は始まったばかりだ。

原題「JCVD」。もちろん、ジャン=クロード・ヴァンダムの略である。(笑)
この作品は、落ちぶれたアクションスター「ヴァンダム」をヴァンダム本人が演じるセルフコメディ映画。
当然、フィクションなんだけど、随所に見られるボヤキなんかは、中々のリアリティ。
こういう企画のオファーを引き受けただけでなく、製作総指揮にまで関わる懐の広さ。自らを笑いのネタにした題材で、自分自身をシリアスに演じるなんてのは、タダの筋肉ムキムキ馬鹿に出来る事じゃない。その開き直りは、事件だ。(爆)ライバル視しているのがセガールというのも、上手い設定。
ヴァンダムって凄いと思うね。マジに。俺は見直したよ。
そして、この作品は、近年、新作が日本で劇場公開されることも無く低迷している感が強かった彼の久し振りの日本での劇場公開新作になる。(09年予定)
展開は地味、全編フランス語、ヨーロッパな味わいで、いかにも単館系の匂いのするマニアックな作品だけど、構成がなかなか面白くて、ハリウッドの馬鹿アクションでは決して見せないヴァンダムの姿や演技が、90分間お楽しみいただける...ハズだ。
まぁ、これで彼に演技派として目覚められてしまっても(笑)、正直、かなり微妙なんだけどね。
その辺の真剣度合いまで含めて、笑えます。

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