2009年6月28日日曜日

劔岳 点の記/NARIZO映画レビュー

日露戦争後の明治40年。参謀本部の 測量手・柴崎は日本地図最後の空白地点である劔岳の初登頂と測量に出発。100キロ超の測 量器具を担ぎ、粗末な装備で挑む彼らは果たして、人間が登る事を許さないと言われ続けてきたその山の頂を極める事が出来るのか。美しくも 厳しい山々と人間が織りなす壮大なドラマ。



キャメラマンとして、「八甲田山」や「鉄道員(ぽっぽや)」などで、美しい映像を撮り続けて来た御大、木村大作が初監督として演出したのが、この実話を基にした山岳映画。
何よりもリアリティを求めて撮影隊は本当に剣岳での撮影を敢行。徹底的にこだわりぬいた映像、順撮りで望んだという画からは、役者とあの時代に地図作りのために命を懸けた男たちの姿がシンクロしていたような気がする。
とにかく役者たちの顔つきが違うのだ。最初と最後では。

そして大スクリーンに広がる目を見張るような、雲海、深緑、紅葉、地獄の様な断崖絶壁、猛吹雪、地吹雪、雪崩そして眩いばかりの太陽。その全てが、あまりにも雄大で美しく、過酷で恐ろしい。

大自然に挑む男達の姿や、自然に対しての人間の小ささを通じて、何かを成し遂げることの意味を問うこの作品。正直、圧倒されはしたものの、この内容で2時間20分は長過ぎる。
キャメラマン出身の監督として、可能な限り素晴らしい画を見せたい気持ちはわかるのだが、ただ、男たちが山を登り続けるストーリーは平坦で、たいした抑揚も無い。どのシーンも同じ様にさえ感じる。

この映画はドラマとしての演出よりも、本物の迫力で魅せる作品なのだ。
だから、二度見たいかと問われればかなり微妙な感じ。

男たちが汗まみれ、吹雪や雪崩に巻き込まれつつ登山しながら演技しているのに対して、柴崎の若妻を演じた宮崎あおいは、短い登場シーンでありながらも印象に残る熱演。
他の役者は登り損なんじゃないかと軽口を叩かれるくらい、男達の苦難よりも、彼女の愛らしい笑顔の方に、興味が向いてしまった。

2009年6月27日土曜日

ブレイド「BLADE」 ムービーファインアートバスト /KOTOBUKIYA

これは鈴木雅之さんじゃないですよ。
俺の大好きな壮絶馬鹿アクション映画。
ウェズリー・スナイプスが演じた「BLADE」です。



BLADEってのは、人間とヴァンパイアの間に生まれた男。
何故か日本刀を武器に戦うヴァンパイアハンターで、ヴァンパイア譲りの身体能力をもちつつ、昼間も活動できることから「デイ・ウォーカー」とヴァンパイアたちから恐れられる存在。
その一方、血の渇望からは逃れられない自らの呪われた血筋を恨みつつ、人間を家畜化しようとするヴァンパイア一族と密かなる戦争を繰り広げるというお話。

ほら、こんな感じ。↓ 全編壮絶馬鹿アクションで映画は3作まで作られてます。


スタイリッシュな馬鹿映画なんです。愉しそうでしょ?

で、予約していたコトブキヤ製リアルなスタチューが、酔っ払って帰宅したら、お家に届いてました。w
かなりリアルにスナイプスです。
しかも、ヴァンパイア状態になった時の表情を再現した首が付け替え用に付属してる。(爆)


首筋のトライバル柄の刺青も完全再現。


限定300の223体目をゲット。


付け替えられる首の部分は磁石になっていて、カパッと胴の部分にハマります。


近くで見てもホント、リアル。



ビルボードみたいなデザインの看板は、電池で光ります。
うーん。これは満足度高いな。w



2009年6月21日日曜日

トランスフォーマー リベンジ/NARRIZO映画レビュー

前作の戦いから2年。大学進学を控えたサムのポケットから、メガトロンを倒したキューブの欠片が見つかる。欠片であっても絶大な力を発揮するキューブにより、サムにはある秘密の知識が刷り込まれた。
一方、アメリカ政府はオート・ボットと協力し、ディセプティコンに対抗する特殊部隊ネストを結成。
ディセプティコンは、サムに隠された秘密を奪うために侵攻を開始する。




 前作があまりに愉しかったので、正直、物凄く期待して待っていた「トランスフォーマー」の続編。
スピルバーグとマイケル・ベイ監督のタッグは健在で、キャストも懐かしい顔触れがみんな揃っている。
上映劇場だって、わざわざ川崎にオープンしたデジタルのiMAXシアターのチケットを取って。
....万全じゃないか。

しかし、この微妙な感じは何なんだ。どう?と、感想を尋ねられて「まぁまぁ..」と応える他ないこのなんとも煮え切らないキモチ。ああ..期待しすぎたってのはあったにせよ、どう処理してくれるんだ。

つまらなくは無かったのよ。断じて。

しかし、シンプルなストーリーでどのキャラクターも物凄く魅力的だった前作に比べて、何だか大事なところをおざなりに、派手さばかりが倍化しただけとも言えなくない続編。
俺は、ちょっと虚しかった。

大画面で様々な車や乗り物がロボットに変身する...そのメカメカしさ、鮮やかなトランスフォームのカッコよさに痺れた前作の興奮も、既に2作目ともなると、何ら驚きの対象ではなくなってしまったのだ。
出てくるロボットの数が倍に増えようと、身長が前より巨大になろうと、画が派手になったところで、もうお腹いっぱい。
むしろ、色んなのを出しすぎて一体一体の存在やキャラクターがあまりに薄く、前作の様なキャラクターの魅力は殆ど感じない。でも、ロボット達のキャラクター作り、これは非常に重要だった。
その辺が浅いせいで、あんなにロボットが沢山出てきたのに、結局、記憶に残るのは前作同様にカワイイ黄色のカマロ「バンブルビー」とコンポイの「オプティマス」くらい。
他のは名前を覚えるほどの存在感も無い。沢山出してトイを売る作戦だったのかもしれないが、アレじゃ子供たちだって欲しいとは思ってくれないだろう。
挙句の果てに、無表情セクシー系のターミネーターみたいな金属ギャルまで出してきた。

ストーリーの方は、難しいことが苦手な監督のマイケル・ベイなのに、何だかゴチャゴチャしている。
だから、設定を説明する台詞が多すぎる。
ああ..可哀想なマイケル・ベイ。彼は見ているのに能力をまるで必要としないような派手な破壊映像は得意だけど、複雑な設定とかは、演出できないのに。

唯一、サム(シャイア・ラブーフ)の彼女のミカエラをやってたミーガン・フォックスのエロ度というかセクシー度が上昇していたコトが、前作以上の驚き部分かな。

明らかにド派手になった映像は、それはそれで良いんだけど、もはや、それしかない映画には食傷気味なので、キャラを描く事とストーリー展開をもう少し頑張って欲しかった。

そんなわけで、期待しすぎて残念だった作品。
まぁ、馬鹿SFファンとしてソフトはおそらく買うと思うけど。

2009年6月14日日曜日

お台場ガンダム 間もなく公開!!

7月11日の正式オープンを前に、早くも「立ったぞ!」と評判のアレ...を見てきました。






樹木の上からのぞく巨大な後姿。近付くといよいよデカいコトがわかります。身長は18メートルだそうな。

制作関係機材の搬入口付近より。こうやって、周囲の様子と一緒に写真を撮ると、でかさが伝わってくれるはず。


みんな、興奮して上を見上げてしまうわけです。おお...アニメの世界から抜け出たような光景。
ちなみに今年でガンダムは30周年。東京都が緑のプロジェクトと、五輪誘致に絡めてなぜ、ガンダムを建てたかったのかは未だ謎ですが。
細部までかなりマジに作りこんであるコトが伝わりますね。
ホテルとガンダム。 非日常な感じいっぱい。
これは、スモークやライトアップなどの演出が連日繰り広げられる本番期間が楽しみだ!!!
取敢えず、酒呑んでガンダム見ながら芝生でごろ寝だろうな。



メイキングがヤバイ。





ハゲタカ/NARIZO映画レビュー

日本に絶望して海外生活を送っていた“ハゲタカ”の異名を持つ敏腕ファンドマネージャー、鷲津のもとに現れたのは銀行時代の上司にして盟友の芝野。彼は今、日本を代表する企業アカマ自動車の企業再生を請け負っていた。やがてアカマ自動車は中国系の巨大ファンドに狙われていることが発覚する。その仕掛け人・劉は鷲津のかつての部下だった。敵対的TOBを仕掛ける劉に対して、ホワイトナイトを買って出た鷲津。しかし、その圧倒的資金力の前に鷲津は苦戦を強いられる。果たして、劉の目的は何なのか!?


投資ファンドが、企業やそこで働く人間の人生を変えていく...NHKで大評判だった硬派な経済系人間ドラマ「ハゲタカ」の映画化。
NHKとしては初めてのドラマからの映画進出。しかし、こいつが期待以上。
民放製作の映画の様な、あからさまにコマーシャルな売り方もせず、(というか、公共放送なので出来ず)映画になってもやっぱり内容重視。見応えのある作品に仕上がった。
監督・キャストはテレビドラマからの続投で、一気に見せるストーリー展開ながら、映画になってグレードが上がったとか、そういう風にはあまり感じなかった。これを見て、思ったのがやはり贅沢な制作費でNHKはドラマ制作してたんだろうな...ということ。
色んな意味で、NHKの凄さ、企画製作の底力を感じさせる1本だった。

映画単品でも充分、楽しめる内容だが、ドラマ未見なら台詞の中で触れられる主要キャストたちの過去の関係が気になって、おそらくテレビドラマのDVDをチェックしたくなるだろうネ。
良質な作品はソフトも売れる....これ間違いない図式。

サブプライムや派遣労働者という様な旬の話題から、企業買収に関わる様々なコトバまで、「経済」関係の用語が飛び交う映画だが、よく分からない言葉が出てきたとしても面食らうことは無い。この作品が見せたいのは、経済情勢ではなく、あくまで人間ドラマ。30分もすると圧倒的にリアルな語り口で展開するドラマに一気に惹き込まれている。

そして、とにかく利益利益で走ってきた金融屋たちが、最後にこだわったそれぞれの「信念」の所在が明らかになっていくラストに掛けて、非常に熱い。

その結果、自分なりに働くと言うことの意味とか、情熱とか、そういうものをもっと考えたり、噛締めたりしながら、30代をすごさにゃアカンね...と思っちゃったりする作品。

鷲津を演じる大森南朋や芝野の柴田恭兵は勿論、栗山千明や松田龍平もテレビドラマ同様、出てくるが、今回の敵役の玉山鉄二には釘付けだった。

彼の演じる中国系ファンドマネージャー劉一華は、カリスマ性とスマートさ、冷淡で、どこか謎を秘めている魅力的なキャラクター。ラストに実は...という余韻も残し、テレビドラマからの続投組を凌駕する存在感でこの作品を支配した。
対立するキャラに魅力があるとストーリーは疾るよね。
初めて玉山鉄二っていい役者だな...と思ったNARIZOなのだった。

2009年6月6日土曜日

「Town Market TV」リクルートの地域フリーペーパー

「R25」とか「ホットペッパー」とか、すっかり何時の間にかフリーペーパーやってる会社...って印象になってしまったリクルートが、東京都内の城南エリアと神奈川の横浜・川崎を中心としたエリアで実験的に開始した「Town Market TV」というフリーペーパー。

今勤めてる会社で広告案件になっていたので、興味半分に登録してみたら、今朝、自宅に届いてた。

メール便に「速達」なんてあるのね。初めて知ったよ(爆)。



で、中身はこんな感じ。
ほぼ1週間分のテレビ番組欄と番組紹介だけで構成されたフリーペーパーに、同封されてきたのが、地域のマンションやパチンコ屋さんなどの所謂、折込広告。



新聞記事はネットで読めるからいいや、解約!みたいな人の急増で急激に部数を落とす新聞業界。
その、新聞+折込広告という広告ビジネスの地域市場にコンペキターとして参入しようという企画だね。

そもそも、あらゆる情報の閲覧がネットに分があるかというと、実はそんな事無い。

興味のあるニュース記事だけネットで読みたいというニーズにネットの検索性は応えてくれるけど、番組表みたいな一覧性を求められる情報の表示に、PCのディスプレーやケイタイの画面は向いていないから、やっぱりテレビ番組表みたいなものは紙で見るのがイチバン便利。
つまり、テレビ雑誌を買うほどでも新聞を買うほどでもないが、タダならテレビ欄だけは欲しいわけだ。
それを埋める存在が、この「Town Market TV」。
だったら、部数は落ちてるし、ホントにどれだけ配達されてるか判らない新聞に折込広告するより、こっちに折込広告したほうが、確実にリーチ出来ますよ..って事だと思う。



この番組表が見たいから、確実に開封される。
折込チラシがリーチする....って法則。開封率100%を目指せる媒体って謳って営業してたりして(爆)。
..が、あけて直ぐ、目を通さずにチラシをゴミ箱行きにした俺には、結局チラシの内容まで到達していないわけだけども(笑)。

賢いと思ったのは、「地域」ごとに違ったコンテンツになっているのは、あくまで同封されるチラシの方だけだという点。番組表も誌面そのものも、ホットペッパーみたいに細かく「渋谷」「新宿」「銀座」みたいな単位で地域ごとに違うコンテンツを載せ、いくつもの版を用意する必要が無い。

つまり、この事業は、地域のチラシ折込拠点さえ、どこかに用意しておけば、地域ごとの誌面編集とかは不要なわけだ。
こうして、例え新聞が部数を落としても、折込チラシが媒体として生き残れるスキームが生み出された。
面白いよね。

ターミネーター4 (Terminator Salvation) /NARIZO映画レビュー

2018年。審判の日と呼ばれる核戦争後の地球。人間に反旗を翻したマシーン「スカイネット」と人間の抵抗軍の若きリーダー、ジョン・コナーは、やがて自分の父となる少年カイル・リースと自分を「スカイネット」が抹殺しようとしている事を知る。未だ見ぬカイルを果たしてジョンは見つけ出し救う事が出来るのか!

あまりに酷い出来だった「ターミネーター3」を無かったことにして、「2」に続く正当なる続編として製作される4作目の噂を聞いたときから、俺は興味が半分。
それでいながら、既に終わってる感漂うシリーズの続編に、「期待できない」という複雑な感情で、先行公開の夜を待っていた。

しかし、ホント、期待していなかったから余計にだと思うのだが、これが面白かった!
アクションも世界観も、非常に高いクオリティで2時間近い長さを一切感じさせないスピード感に溢れている。
「T4」は、ツボをおさえたハードなSF映画に仕上がっていて、「T3」の悪夢をホントに無かったことにしてくれる作品になっていた。
原題は「Terminator Salvation」。ホントにシリーズがSalvation(救済)された感じだ(爆)。
最大に楽しむためには是非、「ターミネーター」と「ターミネーター2」を一度は見てから、劇場へ行ってみて欲しい。

(歴代のターミネーターと新作のターミネーターはお台場で展示中↓)


今回は、シリーズ初めてメインの舞台がマシーンと人間の戦う未来に。
荒涼とした廃墟と砂漠は、まるで「北斗の拳」に出てくるようなビジュアルだ。未だ少年のカイル(アントン・イルチェン)と口の利けない少女スター(ジェイダ・グレイス)なんて、まんま「北斗の拳」のバットとリンみたいな取り合わせ。そんな二人の守護者として現れる、言わばケンシロウの役割が、マーカス(サム・ワーシントン)である。

実は、この作品の主役はコナーではなく、彼。マーカスだったりする。
人間の心を持ちながら、肉体は機械化されてしまった男の悲哀が描かれる。
何か、ショッカーに改造された仮面ライダーみたいな背景だ。

未来のために、身を挺して誰かを守る...1作目は未来からターミネーターを止めに来たカイル・リース、そして2作目はジョン・コナーが自らの命を守るために送り込んだターミネーターが、キーとなるキャラクターの身を守ってきた。
その役割を果たすのが、まさに今回はこのマーカスというキャラクター。
コレは中々上手い設定で、守護者的キャラを、人間(1作目)、マシーン(2作目)、改造人間(4作目)と変えて大きなマンネリを防ぐことに成功しつつ、ラストの展開に説得力を持たせるような伏線が張られている。
お約束的なところへちゃんと、落ち着かせた脚本も、よくまとまってはいたと思う。

(アメリカの映画プロモサイト「Terminate Yourself」では、自分の写真[500kb以内]をアップロードするとターミネーターに加工できる。↓俺)




しかし...だ。

監督のMcG(マックジー)は出世作が「チャーリーズ・エンジェル」シリーズって事で、アクション大好き野郎かつ、日本のサブカルが大好きなコトを公言しているお方。
それがどの程度関係しているのかは判らないが、この作品、面白いけど、どこか野心に欠けると言うか、全く新しい驚きが無かったというのも事実だった。

アレだけの人気シリーズで、斬新さを出せといわれるのは酷かもしれないし、何処かで見たようなキャラや演出を手堅くこなして、マーケティング的に失敗は無いのかもしれないが、「これはスゲェ」「やられたぜ」と思うような驚きが、ストーリーからも映像からも感じられなかったというのは、この作品がまともな続編のクオリティを持っていただけに残念だった。

その分、過去の作品に対するリスペクトは、細かいところにまで感じられたし、オタク的にニヤニヤ出来るところもあって、愉しかったわけだけど。
全体として、厳しく見てしまうのはやっぱり、「ターミネーター」というシリーズが、常にSF映画の中に新しい驚きや価値観を植えつけていった凄い作品シリーズだった(3を除いて)からなんだと思う。
そういう意味で、かなりアウェーな状況下で、McG監督は相当頑張ったと思う。

あとは、どうしようもなくキャスティングが地味に見えてしまったことかな。
申し訳ないけど、いい役者なのはわかっていても、ジョン・コナーを演じるクリスチャン・ベイルには華が無いし、そもそも展開的にマーカス役のサム・ワーシントンの方が目立ってる。
彼も、頑張っているのはわかるんだけど、やっぱ脇役級。
カイルを演じたアントン・イルチェンなんて、失礼ながらチンケな感じで、とてもこのキャラが将来、1作目でマイケル・ビーンが演じたイケメンキャラに成長する気がしない。(爆)
そんな中、CGIでターミネーターとして登場したシュワルツェネッガーに劇場がイチバン沸くと言う虚しさ。
そりゃそーだ、判るよ。だけど、ガンバレ生身の役者たち。CG製俳優の演技とインパクトに一瞬で全部持っていかれてどうする!

そんな訳で、色々言っちゃったが、未来を舞台にしたターミネーター新シリーズは、課題がありつつも、応援したい船出を迎えた。これは事実。
次回作やその次の作品で、徐々にメインキャラたちに主役としての「華」が出てくるか、見守り、1ファンとしてシリーズが盛り上がるコトを俺はせつに願っているよ。

カワイイ馬鹿ハードSFに乾杯!!

2009年6月1日月曜日

ROOKIES ルーキーズ 卒業/NARIZO映画レビュー

過去の暴力事件で二子玉川学園高校を去っていた熱血教師、川藤が復職。不良生活から甲子園への夢に向かって走り出したニコガク野球部の活躍を描く劇場版。

少年ジャンプで連載されていた森田まさのりの人気漫画を原作にしたTVドラマ「ROOKIES」のオリジナルストーリーによる映画版。 そもそもTV版の続きなので、テレビドラマを見ているかいないかで、楽しめるか否かが決まってしまうと言っても過言ではない。 ドラマ版に熱くなっていた覚えがあるなら、見て損は無い出来栄えだと思う。

俺も「ROOKIES」のテレビドラマは、久々はまってしまっていたクチ。 暴力事件を起こした荒廃した野球部を熱血教師が再生させていくというストーリーは、いかにも漫画なのだが、とにかく臭くて大袈裟で、熱かった。

そうなのだ。漫画のテンションそのままにテレビドラマは馬鹿馬鹿しいほど熱く、泣けたのだ。

その上、キャストはイケメンかもしれないけど、はっきり言って全員オッサンで、誰一人として高校生には見えない(爆)。
突っ込みどころ満載なのに、ついつい見てしまい、涙してしまい、応援したくなる久々の野球ドラマだったから、その後、彼らが甲子園まで都大会を勝ち上がっていく様が描かれる劇場版は何としても見たかった。

監督もプロデューサーもキャストも全員、同じメンバーでの映画版。

自然、ドラマのテンションは維持され、都大会を勝ち進んでいくストーリーは、嫌がおうにも盛り上がる。
ありがちなテレビ局製作のテレビでやっとけば良かったじゃんというような、ショボイドラマ続編映画にならずに済んだのは、神宮球場で撮った都大会決勝シーンなど、映画のバジェットを使って存分にキャラを暴れさせた故のこと。


それから、お話も良かった。
しばしば、ドラマの映画化は、なんでそんな脚本でOKなんだ?勢いだけで作ったのか?..何なんだ、コレ!みたいのが多かったりするけれど、今回、映画オリジナルの脚本は、これがまた、かなり良い感じにまとまっていたと思う。

特にテレビドラマの映像をつまみまくって作った過去の回想シーンで、お茶を濁したりはせず、シンプルに「甲子園出場の夢」を追う現在進行形の姿にこだわってストーリーを動かしている辺り、凄く潔いし、展開にも興味と好感が持てた。

そして、そんなはずねぇだろ..という突っ込みどころ満載でも、ああ..高校野球って良いよねと、ついつい思い、元気をもらい、学生時代を懐かしく思い出すような、そんな作品になっていた。

しかし、初日2日間で動員100万人か。...凄いね。

時代が元気になれる熱血映画を求めているような、そんな気がするほど、確かに俺が鑑賞した映画の日の最終回も混みあっていて、場内は熱気ムンムンだった。