2012年9月20日木曜日

白雪姫と鏡の女王

「インモータルズ -神々の戦い-」のターセム・シンが新作に選んだ題材は、ジュリア・ロバーツとフィル・コリンズの娘リリー・コリンズを主演に迎えての「白雪姫」。 子供からオトナまで楽しめる上に、とびっきり元気なテンションの作品に仕上がっている。 まず、悪役でありながら美に対する努力を惜しまない女王(ジュリア・ロバーツ)が光っている。 かつてはラブコメディの女王だった彼女が、老いを恐れる女王役を演じるのは、それはそれで中々挑戦的なキャスティングだと思うのだが、ジュリア・ロバーツは実に楽しそうにそれを演じているし、嫌な奴ではあるもののまるで憎めない。  白雪姫を演じるリリー・コリンズは、日本のバブル時代を思い出させる太さの眉毛で、登場した段階でツボに入っちゃうインパクトを与えてくれるわけだが、見慣れるのか時間の経過と共に物凄い美人に見えてくる。 魔女と白雪姫に共通して言えるのは、情けない男たちに対して、この二人は強い女性として描かれたキャラクターだってこと。 王子なんて、ほとんどメインのストーリー上関係ない。 王子なしでも暴れられる、それが現代の「白雪姫」なのだ。 そして、ストーリーに欠かすことが出来ない小人たち。 盗賊団として描かれる彼らも、バランスよくキャラクターが描き分けられていて、ちゃんと個性が立っている。 ラストは突然の楽しいミュージカル調エンドロール。 ターセム・シン監督がインド出身だと言う事をここにきて思い出した。 豪華絢爛の衣装は、石岡瑛子がデザイン。 この作品が遺作となったが、実にインパクトが大きかった。

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