2012年9月7日金曜日

最強のふたり

首から下が麻痺したフィリップ(フランソワ・クリュゼ)の介護者選びの面接にやってきたのは、失業保険目当てのスラム街から来た黒人青年ドリス(オマール・シー)。
しかし、同情ではなく本音をぶつけてくるドリスをフィリップは採用。まるで異なる世界を生きてきた二人は、衝突しながらも徐々にお互いを受け入れ、友情を育んでいく。実話がベースの感動ドラマ。

大人になってから出来る友人というのは、特別なものだ。
今までの人生で経験してきたこと、見てきたことが異なる相手は、自分とは違ったセンスやものの見方をするし、自分に無い能力や美徳をもっていたりもするだろう。そういう相手と過ごす時間は刺激的だ。
似たような場所で生まれ育ち、共に成長してきた幼馴染とは全く異なる友情が芽生える理由はそこにあると思う。

「最強のふたり」は、まさにそんな関係の二人を描いた作品だ。
原題は「アンタッチャブル」。
「比類の無い」という意味であり、インドのカースト制度で最下層に居る人々を指す言葉でもある。
つまり、スラム街から来たドリスが、まるで住む世界の違う富豪のフィリップと、まさに比類の無い友情で結ばれていくというお話だ。

障害者に対する同情ではなく友情。そこに特別扱いは無く、あるのはいたわりだった。
地位や立場を超えて「ひと」として触れ合う。
相手の隠れた才能を見い出し、チャンスのお手伝いをする。
悪ふざけしたり、軽口を叩き合いながらも、お互いを認め合う眩しい友情は、画面から飛び出したり、宇宙から侵略を受けなくても人を夢中にさせる題材になった。

最高のキャスティング。
こんなにもみんなで笑って、見終えたときには、テンションをあげてくれる最高のドラマ。
お奨めの1本だ。



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