2012年10月3日水曜日

ボーン・レガシー

マット・デイモン主演の「ボーン」シリーズは、記憶を失ったアメリカの特殊工作員「ジェイソン・ボーン」が、追っ手を交わしながら自分に隠された謎に挑むサスペンス。 国家にとって危険な存在と化したジェイソン・ボーンを抹殺しようと、次々と現れる追っ手。これを撃退しつつ、彼が組織に復讐を果たそうとする様を描いた一連の作品は、近年のスパイ映画の中では誰もが認める傑作だ。 今回の「ボーン・レガシー」は、「ボーン」シリーズの番外編とも言える作品。 凄腕工作員「ジェイソン・ボーン」がもはや自分たちにとってコントロール不能に陥いったことに危機感を覚えたCIAが証拠隠滅を図るために計画関係者を次々と暗殺していく。 そんな中、「ナンバー5」の呼称で管理されてきたアーロン(ジェレミー・レナー)も、自らの命が忠誠を尽くしてきた国家に狙われていると気付いて、反撃に出た。 つまりマット・デイモンこそ出演しないものの、この「ボーン・レガシー」はジェイソン・ボーンの戦いと平行前後して、組織に反撃を開始したもう一人の凄腕工作員の姿を描いたドラマなのだ。 そんなわけで可能であれば関連シリーズを事前に見ておくと、細かいシーンまで腑に落ちて楽しめると思う。 主役のジェレミー・レナーは、「アベンジャーズ」のホークアイ役なんかよりもはるかに活き活きとアーロンを演じているし、ヒロインのシェアリング博士は、ああ..レイチェル・ワイズじゃないか。ポチャポチャだった「ハムナプトラ」の頃が嘘みたいに美しかった。 監督はボーンシリーズにずーっと脚本で関与してきていたトニー・ギルロイ。 それだけに作中の雰囲気は、ボーンシリーズそのものだ。 本作、最大の見所はアクション。物凄いスピード感と、痛そうなアクションシーンは、今回も健在。 特に終盤のフィリピンでの追跡シーンや、激しいバイクチェイスは、名作として記憶に永く残せるレベルだ。 笑っちゃうほどのターミネーター振りを発揮して、執拗にジェイソンたちを追い詰めていく工作員の登場など。 一時たりとも目が離せない。

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