2008年11月30日日曜日

「海」のクリスマスイルミネーション

今年も都内の各所で、恒例のクリスマスイルミネーションが街中を彩り始めた。
俺のオススメは、今年3回目ですっかり恒例となったカレッタ汐留で開催されている「BLUE OCEAN 海のクリスマスイルミネーション」。
何と言っても他と大きく違うのは、30分に一度、約10分間。海をイメージした東儀秀樹オリジナル楽曲「BLUE OCEAN」にあわせて音と光のショーが繰り広げられる事。
光の庭の中に身を置いて見るもよし、遠くから全景を眺めるもよし、個人的には都内で最高にエンタテインメントしているイルミネーションだと思うので、未見の人は是非とも銀座から足を伸ばしてもらいたい。

開催期間は11月28日(金)~12月25日(木)までの28日間。
開演時間は、
17:30、18:00、18:30、19:00、19:30、20:00、20:30、21:00、21:30、22:00、22:30、23:00の
期間中毎日 1日12回。
これに加えて、23時の回終了直後から、ワーナー映画提供の特別プログラムが開催され、消灯となる。

そうは言っても「汐留ってどこ?」とか「遠すぎる」とか「寒い」とかって、興味はあるけど、足がなかなか向かない皆さんのために3箇所のアングルから撮影し、編集したNARIZOによる「BLUE OCEAN」完全版をお届けします。これで、引きこもりながらもクリスマス気分が味わえるはず。




2008年11月24日月曜日

レッドクリフ PART1/NARIZO映画レビュー

三国志最大の見せ場、赤壁の戦いを題材に100億円の巨費を投じて作られたジョン・ウー監督最新作。

 とにかく、凄まじい宣伝費の掛け方で、Webといい電波といい、公開直前に露出しまくった超大作「レッドクリフ」を今更見に行った。
劉備、関羽、超飛、超雲に孔明といった三国志を彩る英傑が描かれるのは勿論、孫権、周瑜と彼らの関係もぐっと簡略化されて映画らしく複雑な三国志を難しいことがわからない客層にも理解できるエンタテインメントに仕立てている。
監督はアジアのアクション映画監督としては、今、最も成功しているジョン・ウー。だから戦闘シーンが迫力なのは当然として、これまた当然の様に彼の映像ではお約束の白いハト飛ばしも見ることが出来る(爆)。

この作品の主役は、周瑜(トニー・レオン)と孔明(金城武)で、この二人が抜群にカッコイイのはともかく、残忍な曹操(チャン・フォンイー)に対して、英傑が慕う劉備(ユウ・ヨン)があまりにもタダのオッサンにしか見えないのが、残念でならない。いやぁ、武力は無いけど徳に厚く、人の心を惹き付ける君主にはとうてい見えないんだ彼が。そんな中、何を差し置いてもこの作品最大の拾い物は小喬を演じた映画初出演の台湾のモデル、リン・チーリン。
映画は、タイトルにしておきながら肝心の「赤壁の戦い」直前で次回へ続く...となってしまうので、感想はというと、正直なところ壮大すぎる予告編を見ているような2時間超。疲労感ばかりが残る映画になっているわけで、戦闘シーンが長い割に映画的な起承転結やカタルシスが全く得られなかったわけだが、唯一関心をもてたのが、リン・チーリンの美貌だった。

随分、カネを突っ込んだエイベックスとしては、アクション映画のイメージよりも、ラブロマンス色とか、イイ男ばかりの出演者をアピールして、観客の女性比率が高いことを広告で強調。なんとか女性の関心を呼ぼうと躍起に見えるのだが、ぶっちゃけ、女子向きの映画じゃないと思う。
長いし、戦闘ばかりだし、尻切れトンボだし。退屈してトイレに立ちたくなるかもしれない。
まぁ、パート1だけ見ても何の評価も出来ない作品なので、見てしまったからには来年4月のパート2を見に、劇場に足を運ぶのだろうけど、ぶっちゃけ、遊びに行く金の無いまとまった休暇期間に、1作目と2作目をレンタルDVDで、まとめ見すれば、それで満足だろうな....という作品だった。

俺としては、NHKの人形劇「三国志」を改めて見たくなったね。あっちの方が、断然、人間ドラマだった(爆)。


2008年11月23日日曜日

トロピックサンダー/NARIZO映画レビュー

落ち目のアクションスター(ベン・スティーラー)、役のためなら整形して黒人になってしまうほどのやりすぎ演技派俳優(ロバート・ダウニー・Jr)、お下劣コメディアン(ジャック・ブラック)、人気スター3人が競演する戦争映画は撮影開始直後から大幅な予算超過。何とか作品を成立させるために東南アジアのジャングルでゲリラ撮影を敢行しようとした監督だったが、そこは、麻薬組織が支配する本物の武装地帯だった。

フランシス・フォード・コッポラの「地獄の黙示録」は、実際にゲリラと交戦中のフィリピン軍のヘリまでひっぱり出して撮影を続け、主演俳優は降板、台風の到来、そして決まらないエンディング…、時間と経費がふくれ上がって現場が狂気に包まれていった事で有名。プロダクション中の混沌を描いた、ドキュメンタリー映画「ハート・オブ・マッドネス」は、ぶっちゃけた話、本編より面白いと評価するファンも多かったりするわけなんだけど、この「トロピック・サンダー」は、まさにそんな悲惨な現場を題材にコメディ映画にした作品。

はっきり言って、下品だしグロいし、内容たるや、どうしょうもないが、「プラトーン」やら「ランボー」やら、他にも数々の戦争映画のパロディと、有り得ないほど豪華なカメオ出演者が目白押しで、映画ファンなら泣いて喜ぶ馬鹿映画になっている。

特にトム・クルーズは凄かった。デブで禿で絶大的な権力を握るプロデューサーとして登場し、可笑しげなダンスを踊りまくったりして、カメオ出演とは思えないインパクトを残して、完全に準主役級。

本物の映画各社の予告編に似せた冒頭のシークエンスからして、よくもまぁ、各社許諾してくれたなと(笑)。こういう作品に大金掛けちゃうアメリカは本当に凄いし、アメリカ人って本当に馬鹿だね。(爆)

2008年11月16日日曜日

ハッピーフライト/NARIZO映画レビュー

世界でもトップレベルの過密空港、羽田 東京国際空港。空港は飛行機を安全に運行するために、今日も大忙し。ホノルル行きのチャーター便にはCAとして初の国際線乗務で妙にテンションが高い斉藤(綾瀬はるか)や、副操縦士から機長に昇格するためのOJTを兼ねたフライトにガチガチに緊張する鈴木(田辺誠一)の姿があった。それでも何とか無事に離陸はしたのだが....果たして無事にホノルルへ着けるのか?

 先ずは、この作品のために航空関係者への取材を重ね、リアルに笑える現場ネタ満載で、航空コメディというハードルの高いテーマに取り組んだ矢口監督の挑戦心に拍手を贈りたい。
邦画で、こういう作品が成立するなんて、チョッと思っていなかったし、恐らく従来だったら機内上映なんて出来なさそうなテーマ(飛行機がアクシデントに陥る)の作品に惜しみなく協力したANAにも拍手だ。

この作品は、空の業界の群像劇。
作品の大きな魅力は、くすっと笑えるコメディ要素とリアリティ。
職業ドラマ、群像劇、コメディでありながらリアルに組織が描かれる.....そう。この作品で魅力を創り出す構成要素は「踊る大捜査線」テレビドラマ版のそれに近い。

華やかそうだけどしんどくて、殆ど空飛ぶ給仕係状態のキャビンアテンダントが描かれたり、クレーマーな乗客や、冷静なパイロット達が中心に描かれるドラマは日本でも過去に色々あったけど、日頃、乗客からはランウェイに出る飛行機に手を振って見送っている姿しか見えない整備士達のドラマとか、管制官の日常とか、コントロールセンターやグランドのシゴトなり、その微妙な縄張り意識や、プロ意識がユーモアを通じて描かれた事は実はこれまで殆ど無かったと思う。

つまり、この作品の本当の主人公は、日頃はドラマチックに目立ったりはしないけど、航空業界で安全運行を支えている人たちなのだ。彼らが個性的でエピソードも面白いから、ただ飛行機が離陸して着陸するだけの映画が、物凄くドラマチックに見える。(まぁ、アクシデントは勃発するわけなんだけど)

そのアクシデントも、リアルに起こりえる内容で、途中から中々スリリングな内容になっていくわけだが、ちょっと頼りなかったり、惚けた感じの登場人物たちが、危機を目前にプロフェッショナルとしてシゴトに打ち込んでいく姿には、惹き付けられるものがあって、確実にANAのイメージ向上に繋がっている。
いやぁ、凄いプロモーション映画だな。これは(笑)。

で、拍子抜けするくらい平穏なラストを迎えた頃には、すっかり「ハッピー」な感じになっている。
平和というか、ヌル過ぎて何か尻切れ感さえ感じるエンディングが勿体無い気さえしたけれど、本来、平和で無事じゃなければならない業界を題材にしているから、あんなもんなのかもしれないな。

それから、俺としては、国際線の話なのに生まれ育った地元、大田区の羽田が舞台だということで、チョッとテンション上がった作品。
天気が良い日に、たまに飛行機を見に行く城南島でいつも目にする16Lや34Rの滑走路が重要な舞台として出てくるし、空港でシゴトについている人達が地元に身近に居たりすることを思い出して、親近感も湧いたせいか、2割増に楽しめた。w

いや、そうだなくても構成とか、演出とか、非常に良く出来た映画だ。
デート映画としても、見終えた後に映画の話で盛り上がれると思う。オススメです。


2008年11月3日月曜日

入間基地航空祭 BLUE IMPULSE

今年も、入間の航空祭に行ってきました。
モチロン、目当てはブルーインパルスの美しくもクレイジーな曲技飛行。
しかし、晴れ率の高い文化の日でありながら、曇り空。彼らの雄姿は青空にこそ映えるのに、ちいと今年の航空祭は、天気に恵まれない。
(小松までわざわざ行ったのに、雨で途中で中止になっちったんだよね。)
やっぱり、この大迫力と興奮は、現場で見ないと....でしょ?
でも、みなさんに雰囲気だけでも味わってもらうために、今回も動画をアップロード。


2008年11月1日土曜日

ハンサムスーツ/NARIZO映画レビュー

心優しく腕もいいけど不細工の定食屋、琢郎(塚地武雅)。見栄えの悪さだけで33年間、不幸せな思いばかりしてきた彼の前に現れたのは、美人アルバイトの寛子(北川景子)ちゃん。一目ぼれして何とか彼女に告白するも、あっさりと振られ、落ち込む琢郎に怪しい「洋服の青山」の店員が近付いてきた。
「着るだけで。ハンサムになれるスーツがあるんです。」果たして琢郎は、ハンサムスーツの力で幸せをゲットできるのか!!


実生活で森三中の大島美幸と結婚し、「ヒトは外見ではなく中身である」と声高に叫ぶ事に現在、最も説得力を持つ男、鈴木おさむのオリジナル脚本を、長編映画は初監督になるCFディレクター英勉がメガホンを取って完成させた本作。
着るだけでハンサムになれるスーツという、馬鹿馬鹿しい発想は、不細工なドランクドラゴンの塚地武雅→モデル然とした谷原章介というキャスティングで見事にコメディとして着地した。

ストーリー展開は、非常に王道的で誰にでも安心して見ていられる(展開が読めるという意味で)し、日常の「あるある」という状況を見事笑いに換える上手さを感じる一方で、正直、やや冗長。30分短くてもいい(爆)。
あからさまなプロダクトプレイスメント(唐突に登場するガリガリ君とか)に、おいおいと突っ込みの一つも入れたくなったり、80-90年代Jpopの懐かしい挿入曲つるべ撃ち状態で30~35歳位を明確にターゲット視していることがビンビン感じられたり、開き直ったマーケティング色の強さに、爆笑。
まさに30代ど真ん中に居る俺としては、相当愉しかった。
11月1日映画の日の同日公開は、大作「レッドクリフ」の話題一色だったけど、こんな日こそ、カネをドブに捨てる覚悟で、こういう馬鹿映画を1000円で愉しむ気にもなろうというもの。実際、俺も、30代の友達みんなでワイワイ愉しんできた。

ヒトは見た目で判断されがちだけど、「大事なのは中身だ」というストレートなメッセージはきちんと一本貫かれ、その上で主役二人の周囲を固めるキャスティングも素晴らしい。
ヒロインの北川景子はとにかく可愛いし、佐田真由美はクールにカッコイイ。妻さえもネタにする鈴木おさむによってキャスティングされたのか大島美幸も、なかなかよい味で、久々の池内博之や本上まなみ、ブラザートムといった脇役陣だけでなく、見てのお楽しみなカメオ出演者が笑える上になかなか豪華。

邦画でオリジナル脚本の映画を作るのが、ホント、しんどい感じの昨今、邦画らしいカタチで、オリジナル企画のコメディを成立させた「ハンサムスーツ」。
エンドロールの最後まで、席は立っちゃ駄目ね。