2008年12月31日水曜日

2009年へ!!ブログでカウントアップ

色々あった2008年。

元気だった人も、病気しちゃった人も、フル回転で活躍中の人も、一旦かがんでお休みモードの人も、とにかくみんな、ありがとう!!

日本は今、100年に一度とかって不景気な状態に陥っているらしい。
バブルの後のどうしようもなく不景気な時代に社会人デビューしている俺たち世代からしたら、半生まるまる不景気みたいな実感しかないから、何を今更...年々、世の中悪くなっている実感しかありませんよ。
と言うのが、ホンネだったりしつつ。

でも、こういう厳しい環境に直面しているからこそ、どこか他人任せに流れに身を任せて諦めてきた、政治についての関心とか、職場や社会、環境とか、自分が身を置くコミュニティ全般に対する意識が高まってきた気がしていたりもする。

ある意味、今の状況は、全員が危機意識無くニホンの行く末に関して無関心だった結果としての「しっぺ返し」なのかもしれない。

みんなが、「我が事」として、問題意識を持って支えあって乗り切っていく...もう一旦、ハングリーなモードに2009年が切り替わったら面白いと思う。
こういうときだからこそ、終戦直後のご先祖世代が必死だった頃の一体感をこの国が取り戻したりしたら、凄い意味を持った時代に生きた事になるのかもしれないと...ポジティヴに考えてみる。

すっかり、危機的状況から再生して、こんな時代に成長感バリバリのユニクロ。
企業イメージも一新。今年は世界の3大広告賞を実は総ナメにしていたりする。

受賞作品のweb広告。「Uniclock」。
その名の通り。時計+企業イメージ広告。

ユニクロ服を着たお姉さん方がジャズに合わせて踊りまくる愉しいブログパーツ。凄く元気になるよね。
こいつであの会社は今年、未進出の国にまでファンを増殖させてしまった。
さぁ、こいつから元気をもらいつつ、2009年が良い年でありますように。

2008年12月29日月曜日

K-20 怪人二十面相・伝/ NARIZO映画レビュー

怪人二十面相によって無実の罪を着せられたサーカス団の曲芸師・平吉(金城武)。
今や官憲から、怪人二十面相として追われる身となった彼の前に、名探偵 明智小五郎(仲村トオル)が立ちはだかる。
果たして平吉は潔白を証明できるのか!!彼は再び二十面相と対峙する。


 おそらく2008年、俺が劇場で見る最後の作品となったのがこの「K-20」。監督は「エコエコアザラク」の佐藤嗣麻子。特撮は「ALWAYS 三丁目の夕日」や「リターナー」の山崎貴....舞台は、第二次大戦が起きなかった設定の帝都。そこを暗躍する怪人二十面相。

特異な世界設定と美術デザイン、ライヴアクションとVFXどれをとっても、これは、完全に和製「バットマン」をやりたかったに違いないという感じの痛快娯楽アクション大作になっている。

予算はかなり掛かっている様子だが、そこかしこに漂う可愛いトホホなB級感は俺好み。
なんせ対峙するのが金城武と仲村トオル。東西棒読み俳優対決ですから。
でも、嫌いじゃないんだな。おそらく彼らじゃなければ出なかったであろう絶妙のB級感が無ければ、はっきり言ってここまで面白かったかどうかはワカラナイ。
華族の令嬢にしておてんばなヒロインを演じる松たか子も、何処と無く可笑しい。B級的におかしい。
そんなのを全部ひっくるめて、魅力的な作品だった。

口コミで評判のせいか、日劇はかなりの入り。
てか、ラストにしても続編作る気満々だな。

2008年12月22日月曜日

ワールド・オブ・ライズ/NARIZO映画レビュー

中東に潜伏し、諜報活動の最前線で命を張るCIA工作員フェリス(レオナルド・ディカプリオ)。
そして、本部から冷酷な指示を出す現場を知らない指揮官ホフマン(ラッセル・クロウ)。
考え方が全く異なり、しばしば対立する二人が追うのは世界を恐怖に陥れる謎のテロリスト。
生き残るための嘘。そして敵を追い詰めるための嘘。空前の頭脳戦が始まる。


 諜報員役がどうにも板につかないディカプリオと、いつのまにかとっても太ってしまったクロウが競演するのは、リドリー・スコット監督の最新作。
またまたまたまたテロリストと戦うアメリカの話かよっ!と、そろそろ突っ込みの一つも入れたくなる食傷気味な内容ながらも、「嘘」を武器にした諜報戦を描いているところが新しい。
リドリー・スコットだけに2時間を越える長さなのだが、お得意のアクションシーンや演出はモチロンの事、スリリングな展開を魅せる脚本が素晴らしくて、あっという間に時間が経つ気分。

敵の中にスパイを放ち、味方さえも欺く諜報戦。
誰も信用できない作戦の最前線、しかし、敵の姿は見えない。
詳細は劇場で確かめてもらうとして、展開されるリアルなスパイムービーは手に汗握る緊張感でいっぱいだ。
そして、アメリカの正義に対する疑問が観客に投げかけられる。

安全なところから指示だけ出す傲慢なホフマンを演じるにあたって、クロウのメタボ振りは中々、リアル。
そして実は、劇中、イチバンカッコイイところを持っていくのは、ディカプリオではなくて、ヨルダン側の諜報指揮官ハニを演じるマーク・ストロング。そんな意外性までふくめて、リドリー・スコットが仕掛けた罠なのかもしれない。

2008年12月16日火曜日

252-生存者あり/NARIZO映画レビュー

災害大国日本を襲う巨大台風。雹が振り、未曾有の高潮が都心を直撃する。新橋駅の構内に流れ込む濁流。果たして生存者は生還できるのか....。



とんでもなく暑苦しい劇場予告編を見たときから、これは久し振りのとんでも馬鹿映画だと確信して、公開を密かに待っていたディザスタームービー。
日テレの開局55周年だけあって、未曾有の高潮がクリティカルにお台場を襲い、CXの球体展望台が流されて東京湾にプカリプカリと浮くあたり、俺の期待通りの馬鹿度合い(爆)。

描かれるのは、レスキューに命を懸けた男達の熱い...いや暑苦しい程のドラマ。
内容たるや、ひたすら大袈裟でとんでもないが、そんな作品に惜しみなく投入されたモノホンの緊急車輌や機材の数々を見てしまうと、嫌がおうにも男の子的テンションが上がりまくってしまう。

レスキューを去った弟(伊藤英明)と、未だレスキューで指揮をとる兄(内野聖陽)の葛藤や兄弟愛を中心に描くあたりは消防ムービーの傑作「バックドラフト」を彷彿とさせるし、鉄砲水が出まくりの危険な地下鉄構内でサバイバルする展開には、「ポセイドンアドベンチャー」的な要素もあって、馬鹿映画の割にはしっかりとツボを抑えている。

そもそも、主演に伊藤英明をもってくるあたり、「海猿」の彼のイメージに乗っかる魂胆見え見えだったりする、実は計算しつくされた作品なのだ。
子役の設定を障害者にして、あざとく涙に繋げようとしたり、バラバラの生存者の心が次第に一つにまとまっていく過程を意外に丁寧に描いてみたり。構成のところどころに垣間見えるそういう計算高さと、ラストで生き埋めになってもゾンビの様にムキムキ生還させてしまう、「行き当たりばったり」感が同居。
俺としては何ともいい味だった。
CG部分にせよ、ライヴアクションのシーンにせよ、個人的には駄作だったリメイク版「日本沈没」なんかより、全然レベルが高かったと思う。

ヒロイックなオヤジが活躍する和製馬鹿ディザムービーを見たければ、今年イチバンのオススメである。

2008年12月14日日曜日

WALL・E/ウォーリー /NARIZO映画レビュー

人間達が見捨てた29世紀の地球。そこに700年間独りぼっちで働き続けるゴミ処理ロボットWALL・E(ウォーリー)。そんな彼のイチバンの夢は誰かと手を繋ぐ事....。そんなある日、地球に降り立った、美しいロボット「イヴ」を見つけた彼は、初めての恋をする。

「ファインディング・ニモ」の監督アンドリュー・スタントンによるディズニー・ピクサー最新作、「WALL・E」。
いち早く見た人たちの間では、絶賛だっただけに、俺としても、かなり楽しみにしていた。

この作品で、光るのは抜群に魅力的なキャラクター。



ピクサーは実にキャラクターで観客の心を掴むのが上手いと思う。本家のディズニーがスティッチ以降、全く新たなキャラクターで成功できない事から考えても、ピクサースタジオの創造力には、物凄い力を感じる。
正直、ストーリー云々以前に、ロボットでありながら感情豊かで、愛くるしい「WALL・E」が画面をチョコチョコ動き回るだけで、見ているこっちは夢中になってしまう。

「WALL・E」が、キャタピラで動くローテクなメカメカしさでデザインされているのに対して、「イヴ」は、なんかAppleの製品みたいにツルツルしたデザインで、どんなテクノロジーで動いているのかも想像が付かない。

そんな、一生懸命頑張るローテク「WALL・E」が、ハイテクのロボットに恋をする可愛いラブストーリー。
「ふたりの境遇・立場に格差がある」そういう、恋愛ドラマを盛り上げる上での王道的設定が踏襲され、俺たちは主人公がロボットである事なんて忘れて彼を応援してしまうわけである。

もう一つ、面白いと思ったのはこの作品が、従来のピクサー以上に大人向けのテーマを発信していると感じられたこと。

冒頭に登場する世界は、人間が見捨てたゴミだらけの地球。
宇宙に避難した人間達は、全員、デブになっていて足腰が弱り、歩行も困難になっている。
最近、日本でもメタボ対策にやっきだが、はるかにその上を行く肥満大国アメリカに警鐘を鳴らす、実は物凄く社会派のテーマが作品の中に隠されている。

クラシカルなディズニーは、子供に見せて安心な「おとぎ話」で、大人の鑑賞にも堪えるクオリティのものだった。
しかし、アンドリュー・スタントンの前作、「ファインディング・ニモ」は、父親の目線からもストーリーが紡がれ、子育てや子離れを通じて自らも成長する父親像を描くことで、彼と同じ父親世代に対してもメッセージが発信されていた。


そして、本作。ピクサーは、とうとう人間社会に生きる大人たちに向けて、アニメを使って社会問題を提起しはじめた。
子供達に美しい地球を残すために....。子供を愛し、家庭を愛する事で有名なアンドリュー・スタントンは、本気なのだ。



2008年12月6日土曜日

エグザイル/絆 /NARIZO映画レビュー

かつては仲間だった5人の男達。
ボスの命を狙い、今は追われて妻子の下へ逃亡していたウー。ボスの命でその命を狙うプレイズとファット。そしてウーを守ろうとするタイとキャット。5人が再び一つになったとき、運命の歯車は大きく狂い始めた

 アジアのノワール(犯罪映画)は、どうしてこうも熱くて浪花節的なのか!!
とりわけ香港映画ってヤツは!!!

久し振りに美しいアクションと、男達の....というか、オッサン達の馬鹿まっすぐな友情ドラマに熱くなった。
これは間違いなく「インファナル・アフェア」シリーズ以来の傑作香港ノワール。都内二館のみの公開が、何とも勿体無い。

返還直前、動乱のマカオを舞台に、そりゃないだろうという人間ドラマが展開するも、静かでありながら有無を言わせない演出で、ガンガン惹き込まれてしまう。
何であれ、男たちのキャラが極上にカッコイイ。オッサンばかりだが、馬鹿に真っ直ぐで、可愛くて、子供の様に無邪気で、そして飛び切り強い。
運命は皮肉だ。上手く行くときもあれば、トラブるときもある。逃亡先さえもコインの表裏で決める男たちは絆のためにあてもない死への放浪を続けているようにさえ見える。
しかし、それだって、実に無邪気に、信じるもののために直向なのだ。

景気が悪くなり、そこの浅い賢さで、目先の利益に翻弄される様な、つまらないオトナの姿が目立つ昨今。本当に大切なものや信念のために、直向な不器用すぎる男達のノワールは、あまりにも美しかった。