2008年12月16日火曜日

252-生存者あり/NARIZO映画レビュー

災害大国日本を襲う巨大台風。雹が振り、未曾有の高潮が都心を直撃する。新橋駅の構内に流れ込む濁流。果たして生存者は生還できるのか....。



とんでもなく暑苦しい劇場予告編を見たときから、これは久し振りのとんでも馬鹿映画だと確信して、公開を密かに待っていたディザスタームービー。
日テレの開局55周年だけあって、未曾有の高潮がクリティカルにお台場を襲い、CXの球体展望台が流されて東京湾にプカリプカリと浮くあたり、俺の期待通りの馬鹿度合い(爆)。

描かれるのは、レスキューに命を懸けた男達の熱い...いや暑苦しい程のドラマ。
内容たるや、ひたすら大袈裟でとんでもないが、そんな作品に惜しみなく投入されたモノホンの緊急車輌や機材の数々を見てしまうと、嫌がおうにも男の子的テンションが上がりまくってしまう。

レスキューを去った弟(伊藤英明)と、未だレスキューで指揮をとる兄(内野聖陽)の葛藤や兄弟愛を中心に描くあたりは消防ムービーの傑作「バックドラフト」を彷彿とさせるし、鉄砲水が出まくりの危険な地下鉄構内でサバイバルする展開には、「ポセイドンアドベンチャー」的な要素もあって、馬鹿映画の割にはしっかりとツボを抑えている。

そもそも、主演に伊藤英明をもってくるあたり、「海猿」の彼のイメージに乗っかる魂胆見え見えだったりする、実は計算しつくされた作品なのだ。
子役の設定を障害者にして、あざとく涙に繋げようとしたり、バラバラの生存者の心が次第に一つにまとまっていく過程を意外に丁寧に描いてみたり。構成のところどころに垣間見えるそういう計算高さと、ラストで生き埋めになってもゾンビの様にムキムキ生還させてしまう、「行き当たりばったり」感が同居。
俺としては何ともいい味だった。
CG部分にせよ、ライヴアクションのシーンにせよ、個人的には駄作だったリメイク版「日本沈没」なんかより、全然レベルが高かったと思う。

ヒロイックなオヤジが活躍する和製馬鹿ディザムービーを見たければ、今年イチバンのオススメである。

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