2008年12月6日土曜日

エグザイル/絆 /NARIZO映画レビュー

かつては仲間だった5人の男達。
ボスの命を狙い、今は追われて妻子の下へ逃亡していたウー。ボスの命でその命を狙うプレイズとファット。そしてウーを守ろうとするタイとキャット。5人が再び一つになったとき、運命の歯車は大きく狂い始めた

 アジアのノワール(犯罪映画)は、どうしてこうも熱くて浪花節的なのか!!
とりわけ香港映画ってヤツは!!!

久し振りに美しいアクションと、男達の....というか、オッサン達の馬鹿まっすぐな友情ドラマに熱くなった。
これは間違いなく「インファナル・アフェア」シリーズ以来の傑作香港ノワール。都内二館のみの公開が、何とも勿体無い。

返還直前、動乱のマカオを舞台に、そりゃないだろうという人間ドラマが展開するも、静かでありながら有無を言わせない演出で、ガンガン惹き込まれてしまう。
何であれ、男たちのキャラが極上にカッコイイ。オッサンばかりだが、馬鹿に真っ直ぐで、可愛くて、子供の様に無邪気で、そして飛び切り強い。
運命は皮肉だ。上手く行くときもあれば、トラブるときもある。逃亡先さえもコインの表裏で決める男たちは絆のためにあてもない死への放浪を続けているようにさえ見える。
しかし、それだって、実に無邪気に、信じるもののために直向なのだ。

景気が悪くなり、そこの浅い賢さで、目先の利益に翻弄される様な、つまらないオトナの姿が目立つ昨今。本当に大切なものや信念のために、直向な不器用すぎる男達のノワールは、あまりにも美しかった。

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