2008年12月22日月曜日

ワールド・オブ・ライズ/NARIZO映画レビュー

中東に潜伏し、諜報活動の最前線で命を張るCIA工作員フェリス(レオナルド・ディカプリオ)。
そして、本部から冷酷な指示を出す現場を知らない指揮官ホフマン(ラッセル・クロウ)。
考え方が全く異なり、しばしば対立する二人が追うのは世界を恐怖に陥れる謎のテロリスト。
生き残るための嘘。そして敵を追い詰めるための嘘。空前の頭脳戦が始まる。


 諜報員役がどうにも板につかないディカプリオと、いつのまにかとっても太ってしまったクロウが競演するのは、リドリー・スコット監督の最新作。
またまたまたまたテロリストと戦うアメリカの話かよっ!と、そろそろ突っ込みの一つも入れたくなる食傷気味な内容ながらも、「嘘」を武器にした諜報戦を描いているところが新しい。
リドリー・スコットだけに2時間を越える長さなのだが、お得意のアクションシーンや演出はモチロンの事、スリリングな展開を魅せる脚本が素晴らしくて、あっという間に時間が経つ気分。

敵の中にスパイを放ち、味方さえも欺く諜報戦。
誰も信用できない作戦の最前線、しかし、敵の姿は見えない。
詳細は劇場で確かめてもらうとして、展開されるリアルなスパイムービーは手に汗握る緊張感でいっぱいだ。
そして、アメリカの正義に対する疑問が観客に投げかけられる。

安全なところから指示だけ出す傲慢なホフマンを演じるにあたって、クロウのメタボ振りは中々、リアル。
そして実は、劇中、イチバンカッコイイところを持っていくのは、ディカプリオではなくて、ヨルダン側の諜報指揮官ハニを演じるマーク・ストロング。そんな意外性までふくめて、リドリー・スコットが仕掛けた罠なのかもしれない。

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