2011年10月16日日曜日

変態的タイツ姿の古典ヒーローをマーベルがリデザイン!!/ キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー

古典愛国心と正義感にあふれてはいるものの病弱なため兵士として不適格とされたスティーブ(クリス・エヴァンズ)は、軍の極秘計画でパワー、スピード、身長等あらゆる身体能力を高められ、別人のような姿に生まれ変わった。
しかし、星条旗デザインのタイツ姿の軍公式マスコット“キャプテン・アメリカ”に仕立てられた彼は不遇の生活を送ることに。
一方、ナチス化学部門ヒドラ党のレッド・スカル(ヒューゴ・ウィーヴィング)は、ヒトラーをも裏切り世界制服を目論んでいた。親友の部隊がレッドスカルの捕虜になったことを知ったスティーブは、無断で仲間の救出に向かう


マーベル・コミックを代表し、最初のアメコミヒーローとも言われる(と、言っても普通の日本人は殆ど知らない気がするけどネ)キャプテン・アメリカの実写映画。
貧弱な体格の主人公が、身体能力を高められて超人に...とは言ってもあくまで生身の人間。空を飛んだり鋼の肉体が銃弾を跳ね返すようなことも無い。ようやく、生まれ変わった身体で自分を認めてもらえるかと思いきや、タイツを着せられて客寄せパンダのような扱いを受けて失意に沈むとか...そういう展開は、なかなかに人間臭くて、俺好みだった。
そんな客寄せタイツ野郎が親友の危機に、実戦経験も無いのに独り敵地に乗り込むなんて展開に、全くリアリティなんてものは無いのだが、序盤の主人公の情けない扱われ方に、そろそろ痺れを切らしてきた観客の心理としては、その反動で大盛り上がりである。(笑)
メカも兵器も、デザインこそクラシカルだが、性能は現代兵器以上じゃないかとか、そういう突っ込みはこの際、置いておこう。
序盤からマーベルヒーローがジャンプ祭り張りに作品を超えて大集結する映画「アベンジャーズ」への繋がりを意識した作りになっていて、キャプテン・アメリカに兵器を提供する企業も、「アイアンマン」のスターク社だったり、トニー・スタークの父ハワード・スターク(ドミニク・クーパー)が大活躍するのも、楽しい。

この手の作品は敵キャラのインパクトやカリスマ性の有無で、成否が決まると思うのだが、レッド・スカルを演じるのは「マトリックス」シリーズで敵役エージェント・スミスとして増殖しまくってたヒューゴ・ウィーヴィング。邪悪かつ陰険度合いで考えて不足なしの布陣だが、なぜか迫力の形相ながら少しばかり間抜けで、まるで東映戦隊ものを見ているようなキモチになってくる。
それから監督が、ジョー•ジョンストンだけに、レッドスカルが世界征服を果すために利用しようとするパワーを秘めた伝説のキューブは、まるで「レイダース」の聖櫃(アーク)みたいで、ニヤニヤ出来る。

原作漫画の変態的なタイツ姿を現代のセンスで、レザー製のミリタリーウェアに変換したコスチュームデザインも、アイディアとして非常にイケてたのではなかろうか。

で、ここんところのマーベル映画は、揃って「アベンジャーズ」への布石を最後の最後でもしっかり入れてくるわけだが、ここまで来ると、あらゆるヒーローを勢揃いさせた馬鹿映画に違いないと知りつつも、見たくなってくるね。
「アベンジャーズ」を。


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