2008年9月7日日曜日

20世紀少年/NARIZO映画レビュー


“ともだち”と呼ばれる教祖が率いる不気味な教団が現れ、怪事件が立て続けに世を騒がす。教団が掲げるマーク、細菌兵器、爆破テロの数々。コンビニを営む中年男性ケンヂは、一連の事件が、子供時代に幼馴染達と自分が書いた空想の「よげんの書」と酷似していることに気付く。予言の結末は世界の終わり。果たして幼馴染7人は、終末を阻止できるのか!!

浦沢直樹の累計発行2000万部のベストセラーコミック「20世紀少年」の映画化。原作が描く50年にも及ぶストーリーを3部作構成で描く製作費60億とも言われるビックプロジェクト。世界のコミックシーンで多くのファンを持つ原作だけに、最初から世界で回収する事を意識したこの作品はすでに34カ国での配給が決まりそうだとか。

荒唐無稽な内容でありながら、何処かオウムの事件を彷彿とさせる不気味さと、謎が謎を呼ぶ展開。原作キャラとそっくりと評判の豪華な豪華なキャスト陣。何だか判らないけど、一気に見せられ、そして、何だか判らないけど、続きが見たくなる。勢いに溢れた作品だった。ギリギリまで編集したと噂の2時間22分。しかし、不思議と長さは感じない。

主人公は中年のオヤヂである。 唐沢寿明だけど。芸達者が顔をそろえていても、アイドルみたいなのは殆ど出てこない。そういう意味でも、この映画は凄いと思う。
脇役もみーんな、オヤヂ。しかし、芸達者な俳優たちによる個性の濃いオヤヂたちは誰も彼もカッコイイ。紅一点のユキジを演じる常盤貴子。彼女も実に凛としていて美しい。誰が誰だか判らなくなりそうなくらい登場人物は多いが、誰もがちゃんと印象に残る。群像劇として秀逸だ。しかし、イチバン光ってたのは豊川悦司のオッチョじゃないか。....カッコ良かったぞ。

それから、ケンヂ達の子供時代を演じた子役達も、みんな凄く良い表情をしていた。

監督は堤幸彦。
今回は、彼独特のユーモアテイストは封印して、「原作の完コピ」を目指したと語るくらいに原作を大事に撮ったのだとか。何でも、絵コンテの代わりに原作を持ってきては、コマ割を意識したカット割や、アングルまで似せたとか。今後の展開は果たして....と、年明けの2部が楽しみでしょうがない。

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